シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典
北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記
おいしい食べもの
- 2015/03/31
- きときと!?の富山食材
富山県射水市(いみずし)新湊(しんみなと)の市場
今回、先祖の地・富山を訪れ、
おいしい食材を楽しんできました。
なぜ、富山の食が豊かというと、
その独特の地形による自然から生まれるようです。
富山湾は、標高3千m級の立山連峰から、
湾の水深千mと高低差が4千mもあるそうです。
特に海底には、多くの谷が入り組んで
魚の種類が豊富なことに加え、
魚場から港までの距離が近くて
魚介の鮮度が良いことから
「天然のいけす」と呼ばれています。
*今回のブログは、富山県観光公式サイト
富山湾のごちそう(魚介類)
タラバガニはよくわかりませんが、
このほかにも、サヨリ、バイ貝、ヒラメ、ゲンゲも
よく食べられています。
次に、富山の人気魚介類を紹介します。
富山湾の王者・ブリ
ぶりの刺し身
(右、右下、左は別の魚です)
*ブリは、仏語serioleが女性名詞なので「女王」かも?
全国的に有名、中でも「氷見ブリ」は
最高級ブランドとして人気。
脂のりがよいことを地元では、
きときと、きっときと と呼びます。
富山湾の神秘・ホタルイカ
茹でたホタルイカ
産卵期の春に定置網で漁獲され、
加熱したものはその色から桜煮と呼ばれる。
内臓のほろ苦みが菜の花や山菜と抜群の相性で、
体に貯まった冬の毒素も流してくれそうです!
ほかの料理は、コチラ↓
生のホタルイカはこんな感じ
ゆでホタルイカの酢みそ和え
写真を見ているだけで、味を思い出し、口の中にだ液がたまります!
ホタルイカとタラの芽の中国風天ぷら
富山市内のホテルで頂いた、ランチのひと品で、絶品でした!
富山湾の宝石・シロエビ
富山湾の一部で大量に漁獲される富山湾の特産品。
春から秋に獲れ、淡いピンクの姿が印象的です。
白身の「トロ」・ノドグロ
やや深い海にすむスズキ目のアカムツ。
脂ののった白身魚でかなりの高級魚。
濃厚ミソが人気・ベニズワイガニ
みんな大好き・アマエビ
イカの黒作り
富山県の郷土料理でイカの墨を混ぜたイカの塩辛。
*イカすみパスタは、胃腸の調子がよくなるので、
おそらくこの塩辛も、神経を遣う人にオススメ!
*イカすみに含まれるムコ多糖質がガン予防によいといわれています。
氷見うどん
機械を使わず手延べする、輪島そうめん系のつるりとしたうどん。
新幹線ラベルのビール
「富山へ」のロゴが入った瓶ビール。
富山の地酒
立山連峰から流れる豊富で良質な水と米でつくられる日本酒。
撮影した場所を紹介します。
新湊きっときと市場(しんみなと)
*富山県射水市(いみずし) HPはコチラ
民宿わたなべ
北陸新幹線が開業して
ホテル・旅館や、飲食店・レストランも
地元食材の活用に力を入れています。
道民のご先祖には、
富山県出身者も多くいらっしゃるので、
よいところをたくさん見習いたいもの。
来年3月の北海道新幹線・開業に
備えてゆきたいと思います。
2015/03/31 13:27コメント(2)
- 2015/02/19
- 伊豆大島で製塩を見学!
● ● ● ● ● ● ●
このラべル、ご存知の方もいらっしゃると思います。
●
今月初め、伊豆大島の製塩所を訪問しました。
訪ねたのは、わたくしが20年以上愛用している、
伝統的な海塩「海の精」です。
海の精では、きれいな海水から
水分を蒸発させて塩をつくっています。
●
工程は、こんな流れです。
*あらしおの場合
1.海水をくみ上げる
2.天日で濃縮する
3.釜で煮詰める
4.苦りを脱水する
5.袋で包装する
●
工程を写真とともに見てみましょう。
1.海水をくみ上げる
大島の国立公園内にある千波(せんば)地区で、
きれいな海水をくみ上げます。
2.天日で濃縮する
くみ上げた海水は、立体塩田に張り巡らせたネットに流したり噴霧して、
時間をかけて風と太陽熱で、水分を蒸発させて海水を濃くします。
3.釜で煮詰める
風と太陽で濃くした海水を、
大きな蒸気釜で一昼夜煮詰めます。
塩が結晶化して濃度が最適になったら、冷まします。
4.苦りを脱水する
1日置いて、結晶に微量成分をなじませたら、脱水して苦りを漉します。
専用の機械を使うと、しっとりした、「あらしお」ができあがります。
海の精の寺田社長
あらしおの包装形態
ふだん見かけない、大島バージョンの袋!
これかわいいですよね!
5.袋で包装する
塩を計量して必要な袋に入れ、密封して箱詰めされます。
●
天日塩のつくり方
あらしおとは別に、釜で煮詰めないで
干し上げる天日塩もつくっています。
青ラベルとか、海の晶とも呼ばれてきた、海の精「ほししお」です。
3.温室でさらに濃縮する
2で濃縮した海水を専用のガラス温室に運び、
チタン容器に広げてかき混ぜ、水分を蒸発させながら、
結晶化させてつくります。*夏は2週間、冬は1ヵ月ほど
ほししお
●
海の精のしおは、原料が伊豆大島の海水だけでつくられており、
主成分の塩化ナトリウムのほか、微少成分(無機塩類)の
成分バランスがよいのが特徴です。
例えば、普通栽培の野菜料理に海の精を使うと、
有機野菜のような風味になったり、
寿司や刺し身に振って食べると、
魚介の素性をはじめ、鮮度や技術のよさがわかったりすることもあります。
●
また、製法では、
天日で濃縮したり、釜で煮詰めるなど、伝統的な製法のほか、
煮詰める際の塩分濃度は、こまかく計るなど、勘だけに頼らない、
正確な品質管理が行われていることにも感動しました。
●
塩を怖がる人も多いですが、
海の精のように無機塩類のバランスがよいと、
数値に響かない場合もあるようです。
おいしい料理やよい食材に使ってみて、
その本質の風味を確かめて頂きたい、逸品調味料です。
●
2015/02/19 20:25
- 2015/01/29[この記事のエリア] 日高・えりも
- 平取・寒締めホウレン草
先日、1月18日にNHKテレビで放送された
食材を紹介いたします。
産地は、平取町。
夏にトマトをつくっていたハウスで
冬に寒締めホウレン草を栽培しています。
近寄って見るとこんな状態です
今回、ハウスを見学した水野さん(右)とシェフ
じつは、寒締めホウレン草は、
下ゆでしないで、生のまま油でいためることができます。
それは、葉の表面に渋みの原因である、シュウ酸が出てくるから。
ボウルに張った水で、よく洗うだけでシュウ酸が落ちるようなのです。
アップで見ると、白くて小さい粒状のシュウ酸が
葉の表面についていて、なめると渋いです。
*食べてみて、気になる方は、下ゆですることをお薦めします。
収録した渋谷のNHK本社スタジオ
今回は、ホウレン草に合わせて、
薄黄緑のジャケットと薄茶系のパンツです。
シェフが出演する際は、特別に無添加の仕出し弁当が用意されます!
2015/01/29 22:42日高・えりも
- 2015/01/11[この記事のエリア] 日高・えりも
- NHKに出演de平取町
♠ ♠ ♠ ♠ ♠
みなさん、本年もよろしくお願いいたします。m(__)m
今年も、北海道のおいしい食べものを
紹介してゆこうと思いますが、
さっそく、全国放送のお知らせです。
♠ ♠
昨年からときどき、専門家として出演している、
わかりやすくて楽しい食材番組、「うまいッ!」です。
今回の番組HPはコチラ
産地は当日のお楽しみですが、河川敷のこんな風景です。
♠ ♠
番組 NHK総合「うまいッ!」
特集 寒締めほうれん草(北海道・平取町)
*平取町のHPでも紹介されています→コチラ
日時 平成27年1月18日(日)
朝6:15~6:49
司会 天野ひろゆきさん(キャイ~ン)
武内陶子アナウンサー
食材ハンター
右手愛美(女優)
松岡忠幸(札幌局アナウンサー)
専門家 貫田 桂一(元ホテル料理長)
♠ ♠
今回、現地収録したVTR映像は力作で、
自然番組のドキュメンタリーのようでもあります。
寒締めホウレン草が、どのように育てられているか、ひしひしと伝わり、
自然と植物とを絶妙に結びつける生産者の姿は、胸に刻まれるでしょう。
おいしそうな、料理やスイーツもいろいろ出てきますよ!
この番組をご覧になって、きっと、
寒締めホウレン草が食べたくなると思います。
番組を見てから食べるか、食べてから見るか、はご自由!
この冬は、寒締めホウレン草で「風邪知らず」で過ごしましょう!
北海道の、この産地特有の「うまうま食材」として、
食いしん坊は、ぜひ、お見知りおきください。
♠ ♠
2015/01/11 11:20日高・えりもコメント(2)
- 2014/12/31[この記事のエリア] 大沼・鹿部・松前・江差
- 香りほのかな在来もち米
みなさん、さっそくですが、
香りのあるもちコメは、ご存知ですか?
ふつう、もちは、甘いあと味と食感が特徴で
香りや甘味以外の味は、あまり感じないことが多いと思います。
ところが、昨年、おいしいもち米を見つけました!
そのコメを生み出しているのが、せたな町の大竹章晴さんです。
大竹さんは、「くどもち」と呼ばれる在来系のもち米を
代々、自家採種して育て、はざかけ乾燥してきました。
生産量はごくわずかですが、とびきりのうまさを持つコメです。
大竹さんのコメでついたもちは、
ぬかのよい香りがあり、土地の豊かささえ感じる
独特の風味をもっています。
昔のおもちは、こういう濃い味だったのかと容易に想像できます。
大竹さんに電話すると、とても喜んでくださり、
そのおいしさを伝えるうち、私は涙があふれてきました。
みなさん、ご存知かとは思いますが、
マシンを使うおもちのつくり方をおさらいします。
家庭でつくるもち
1.蒸気蒸し
水に8時間浸したもち米は、10分水を切って餅つき機に入れ、
専用容器に必要量の水を注いで蒸します。
2.蒸し上り
「おこわ」状態です。写りはよくないですが、とてもおいしいです。
*アズキを入れて蒸すと古来の赤飯となります。
3.「ねり」を始めました
4.だいたい、つき上がり
5.丸もちとのしもち
水をしっかりふくませて、やわらかいもちにしました。
6.きなこもち
音更町の黒豆きなこをまぶして、甘くしないで頂きます
7.焼きもち
銅の焼き網で焼いているところ
このおもち、ひと口で息を飲むようなうまさを持っています。
私は、まだまだ、北海道の食べものを知らないなあと、
来年に向け、新たな気持ちになりました。
みなさんも、隠れた食べものの
本来のおいしさを探し出してみてください。
2014/12/31 23:15大沼・鹿部・松前・江差コメント(2)