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シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典

北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記



2015/02/19
伊豆大島で製塩を見学!
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00ラベル.JPG
このラべル、ご存知の方もいらっしゃると思います。
 
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今月初め、伊豆大島の製塩所を訪問しました。
 
訪ねたのは、わたくしが20年以上愛用している、
伝統的な海塩「海の精」です。
 
海の精では、きれいな海水から
水分を蒸発させて塩をつくっています。
 
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工程は、こんな流れです。
 *あらしおの場合
 
1.海水をくみ上げる
 
2.天日で濃縮する
 
3.釜で煮詰める
 
4.苦りを脱水する
 
5.袋で包装する
 
 
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工程を写真とともに見てみましょう。
 
 
1.海水をくみ上げる
01海水くみ上げ.JPG
大島の国立公園内にある千波(せんば)地区で、
きれいな海水をくみ上げます。
 
 
2.天日で濃縮する
02立体.JPG
くみ上げた海水は、立体塩田に張り巡らせたネットに流したり噴霧して、
時間をかけて風と太陽熱で、水分を蒸発させて海水を濃くします。
 
02立体塩田.JPG
 
 
 
3.釜で煮詰める
03煎ごう.JPG
 
風と太陽で濃くした海水を、
大きな蒸気釜で一昼夜煮詰めます。
塩が結晶化して濃度が最適になったら、冷まします。
 
4.苦りを脱水する
04脱水.JPG
1日置いて、結晶に微量成分をなじませたら、脱水して苦りを漉します。
専用の機械を使うと、しっとりした、「あらしお」ができあがります。
 
 
海の精の寺田社長
05脱水後.JPG
 
 
あらしおの包装形態
07あらしお赤ラベル.JPG
 
 
ふだん見かけない、大島バージョンの袋!
07あらしおB.JPG
これかわいいですよね!
 
 
5.袋で包装する
06袋詰め.JPG
 
塩を計量して必要な袋に入れ、密封して箱詰めされます。
 
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天日塩のつくり方
 
あらしおとは別に、釜で煮詰めないで
干し上げる天日塩もつくっています。
青ラベルとか、海の晶とも呼ばれてきた、海の精「ほししお」です。
 
 
3.温室でさらに濃縮する
08天日塩.JPG
 
 
2で濃縮した海水を専用のガラス温室に運び、
 チタン容器に広げてかき混ぜ、水分を蒸発させながら、
 結晶化させてつくります。*夏は2週間、冬は1ヵ月ほど
 
 
ほししお
10ほししお.JPG 
 
 
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海の精のしおは、原料が伊豆大島の海水だけでつくられており、
主成分の塩化ナトリウムのほか、微少成分(無機塩類)の
成分バランスがよいのが特徴です。
 
例えば、普通栽培の野菜料理に海の精を使うと、
有機野菜のような風味になったり、
 
寿司や刺し身に振って食べると、
魚介の素性をはじめ、鮮度や技術のよさがわかったりすることもあります。
 
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また、製法では、
天日で濃縮したり、釜で煮詰めるなど、伝統的な製法のほか、
煮詰める際の塩分濃度は、こまかく計るなど、勘だけに頼らない、
正確な品質管理が行われていることにも感動しました。
 
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塩を怖がる人も多いですが、
海の精のように無機塩類のバランスがよいと、
数値に響かない場合もあるようです。
 
おいしい料理やよい食材に使ってみて、
その本質の風味を確かめて頂きたい、逸品調味料です。
 
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2015/02/19 20:25



シェフ貫田

Profile

[ 名前 ]
シェフ貫田

[ 得意ジャンル ]
料理

[ 職業 ]
フードディレクター(元シェフ)

[ 自己紹介 ]
札幌市在住で1960年生まれ。大阪の調理師学校を卒業し、札幌市内のホテルなどで修業。32歳でホテル料理長となり14年間勤めた後、早期退職して2007年、ヌキタ・ロフィスドを設立しました。現在は、講演や食に関する指導・演出をするフードディレクターとして活動中!
2008年北海道洞爺湖サミットで、ロシア政府代表団の料理指導を担当。2015年イタリア・ミラノ万博「北海道の日」で食の総合監修、農林水産省「地産地消の仕事人」、北海道食育コーディネーターなども務めています。著書に「北の料理人」IとII(晶文社)。
特製「コロッケde北海道」シリーズは、コープさっぽろトドックやどさんこプラザで人気です。専門は、ご当地メニュー&特産品の開発指導、食と観光を活かした地域づくりの助言、食育講習などで、「防災・ご当地グルメ」も研究中!


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