シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典
北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記
2015年5月
- 2015/05/31[この記事のエリア] 札幌
- 道内2位札幌のうなぎ店
グルメサイトのうなぎ料理ランキング、
北海道で第2位がこちら、
「札幌のうなぎや」という名のお店です。
*以前掲載した記事はコチラ
こちらの看板メニューは、天然うなぎのうな重。
北海道には、たくさんの人気うなぎ店がありますが、
ふだんから天然ものを扱うお店はそうありません。
香ばしい焼き色がついたそのうなぎ、
独特の食感と風味を持ち、
ひと口で、脳にやる気物質が広がるようです!
こちらのうなぎの蒲焼き、少しうす味ですが、
タレに浸す回数が少ないようです。
というのも、ウナギのよい身質を
タレでごまかし過ぎないようにと店主は話します。
そのため、お客から「(タレの味が)うすい」と
言われることもあるようです。
もし、お店で物足りない時は、
塩をもらって振ってみてください。
きっと、タレの味より、うなぎの味が勝って、
ご飯とのバランスもぐんとよくなりますよ。
実際、わたくしも、持参した
伊豆大島の塩を振って食べています!
特注の輪島塗のお中に盛りつけられています。
ところで、うなぎといえば、土用丑の日。
今年、夏の土用丑の日は、
7月24日と8月5日の2回です。
ただし、こちらのお店は、
土用に天然ものは扱っていません。
ですから、6月から7月上旬くらいに、
お店で食べるのを、お薦めいたします。
品切れの場合もありますので、天然を
ご希望の際は、必ず、予約して訪ねてください。
お店の情報
店名 札幌のうなぎや
住所 札幌市北区北二十七条西16-4-10
電話 011-726-0355 月休
お店の車は、かわいいウナギのイラスト!!
今回、料理としてのウナギは「うなぎ」、
動物としては「ウナギ」と表記しました。
2015/05/31 15:21札幌
- 2015/05/05[この記事のエリア] 小樽・キロロ・積丹
- 秘境そば店札幌圏で復活
移転前のお店に飾られていたシェフの水彩画
昨年、小樽市銭函で開店した
そば店・春別(しゅんべつ)。
名物「つぶ昆そば」が味わえると聞いて尋ねました。
一軒家を改装したお店
そのそばは、2003年頃、浦河町で生まれました。
すぐに、旅行雑誌などで、取り上げられ、
秘境そばとして、たくさんのファンができました。
しかし、2011年頃、やむなく閉店、
2014年、現在の場所で移転復活となりました。
この、「つぶ昆」と呼ばれるかき揚げが独特です。
刺し身用のツブを薄く切って
道産コンブの細切りで包み込み
衣をまぶしてロール状に揚げます。
ツブは、外側から見えませんが、
食べ進めるとコンブの中から出てきて、
油に直接触れていないので、硬くなりません。
「つぶ昆」には温製と冷製があります。
温製は、かけそばのそばつゆが
コンブの香ばしさとうまみを吸い込んで、
この上ない風味になり、さらに、
衣がしっとりとやわらかに食べられます。
冷たいつぶ昆そば
冷製は、もりそばと揚げた「つぶ昆」で
衣が最後までパリッとして充分に食感を楽しめ、
幌加内産を手打ちしている
そば麺(=そば切り)がいっそうおいしくなります。
ほかでは、味わえない名物「つぶ昆そば」。
ツブ好きには、応えられない名品ですが、
昼時は、時間に余裕のあるときにご利用ください。
靴を脱いで上がるので、友人宅のような、
家庭的で温かい雰囲気も味わえます。
新しいイラスト色紙
お店の情報
店名 春別 しゅんべつ
住所 小樽市銭函3-186-27
JR銭函駅から歩いて15分くらい
JR札幌駅から17km
札幌市北区から歩いて3時間45分
電話 0134-61-6182
営業 11:00~売切次第終了、不定休
「つぶ昆そば」は時価で、¥1,100くらいから
「つぶ昆そば」を食べたいときはお問い合わせを
ご興味がある方は、こちらも見てください。
誕生のいきさつ
じつは、この「つぶ昆そば」、
わたくしとお店で共同開発しました。
この店には、2000年頃、
日高振興局の熱心な職員のご案内で訪れました。
切り盛りするのは、のちに「日高の肝っ玉母さん」
とも呼ばれる安ケ平(やすがひら)文子さん。
お店は新しくはありませんでしたが、
人柄はもとより、麺やつゆも、
誠実で良心的だったこともあり、
2001年頃、名物そばで商売繁盛を提案しました。
しかし、「言うは易し、行うは難し」で、
初のそばメニュー指導はたいへんな道のりでした。
メインは、ツブに決めましたが、
相性のよい材料や調理法を探し出せず、
勤めていたホテルの休みを利用し
1年ほどかけ、自費で浦河に出向きました。
何度か通う内、地元住民のアイデアも参考に、
コンブと合わせると、香りと味の相性がよかったです。
しかし、かき揚げの表面にツブが見えるように
揚げると、ツブだけ硬くて食べにくくなり、悩みました。
そして、電話でのやり取りに加え、2003年3月、
3回目の訪問で、文子さんのアイデアによる
現在の「つぶ昆そば」の原型ができあがったのです。
その時、口にしたそばは、
感激とおいしさで目頭が熱くなりました。
その後、
人気旅行雑誌の編集長(当時)や道職員から、
「秘境そば」としての口コミが広がって、
日高の名品そばに育ってゆくのです。
時は流れ、
閉店後も文子さんは、惜しむ声を励みにしながら、
周囲の応援もあって銭函で再開となりました。
最後に、安ヶ平文子さん、
「幻」のツブ昆そばを復活させてくれ、
その上、札幌近郊にいらしてくださって、
ありがとうございます。
ファンはすぐ増えると思いますが、
応援も再開させますね。
2015/05/05 20:15小樽・キロロ・積丹