シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典
北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記
2010年7月
- 2010/07/24[この記事のエリア] 札幌
- 札幌で本場中国のピリ辛冷麺
ニーハオ!
じめじめした気候が続き、なんとなく調子が出ない。
農産物の生育も心配ですが、
自分の寝不足が心配という人も多いと思います。
そういったときには、ランチで健康管理も欠かせません。
しっかり食べて、体力を温存しましょう。
食欲の落ちてくるこの季節にうってつけなのが、
冷たい麺料理です。
では、札幌の人気店を紹介します。
うまうま料理店は、
中国北方家庭料理 順香(シュンシャン) です。
(雰囲気のよいお店の入り口)
今回の、
うまうま料理は、
棒々鶏涼面(バンバンジーリャンメン、セットで¥850) です。
この料理、運ばれて来たら、まず器に触れてみます。
よく冷やされていて、それだけで、外食する価値があるほど。
具材の鶏肉は、充分に味つけされて、歯応えがよく、
ひと噛みごとに味がどーんと出てきます。
自家製ゴマだれは、化学調味料に頼らず、
ピリ辛で濃厚ながら、あと味のすっきりしているのが特徴。
炒ったゴマを加えているようで、香しさが感性に響いてきます。
ふつうは多過ぎるキュウリが少なく、
レタスの千切りが盛付けられているので、食感も調和しています。
注文ごとに茹でて冷やすめんがたれと絡んで、
絶妙な一体感を出していました。
食欲があれば、好みで出してくれる小ライスも
棒々鶏でおいしく頂けます。
さて、中国語が飛び交うこのお店は、
ご主人の商 成順(シャンチャンシュン)さん(中国黒龍江省出身・47歳)と
奥さまのかおりさんが切り盛りしています。
帯広市の「北の屋台」で大人気となり、
その後、札幌に出店して2年になります。
客席は、カウンターもあり屋台の雰囲気を思い起こさせてくれます。
食材は、ご主人が十勝食材のファンで、今でもお取り寄せなど、
十勝産を活用しています。
幼少時からご飯をつくるのが好きだったという商さん、
帯広のお客さまが訪ねて来ると、子どものような笑顔で喜んでくれます。
冷麺は昼の定食だけですが、
夜には屋台の名物だったギョウザも定番です。
(焼きギョウザ、写真は2皿分をひとつ盛りしたもの)
注文が来てから生地を伸ばしてつくる、
焼きギョウザ「鍋烙(グオラオ)」は、一番人気。
時間は少しかかりますが、自家製ラー油をつけてほおばると、
幸せな気持ちになってきます。
今では、明るいかおりさんが店を仕切り、
時折客席に姿を見せてくれる
商さんの笑顔がおなじみとなりました。
混んでいますので、来店する際は、ご配慮もお願いいたします。
昼は、12~13時をなるべくはずして、
夜は予約を入れた方が賢明かと思います。
昼の冷麺をはじめとするおいしい料理、良心的な価格と夫妻の人柄で、
今日も、繁盛しています。
それでは、ツァイチェン(再会・中国語のさようなら)!
お店の情報
店名 中国家庭料理 順香 (シュンシャン)
住所 札幌市中央区北1条西2丁目1 時計台ビル B1F
電話 011-233-1898
営業 昼11:00~14:30(定食のみ)
夜17:00~23:00(単品のみ)LO22:00
定休 日曜日、祝日(不定休)
*ランチは、日替わりですが、冷麺はしばらく置いています。
サラダ、漬物付きで、小ライスはお好みで付けてくれます。
2010/07/24 16:06札幌コメント(15)
- 2010/07/15[この記事のエリア] 札幌
- 展示会で東京の有名シェフが実演!
~札幌のホテルに東京から有名シェフが3人も来た!~
7月13日、札幌市内のホテルで催された食品展示会で、
東京からシェフ2名とパティシエ1名が来札しました。
予約者には試食も付いた豪華な実演会で、
一般の業務用食材のほか、良質なイタリア食材や
道内の有名チーズ工房なども出店し、熱気に溢れていました。
(写真は、三本コーヒー㈱取締役本部長・永井徹氏、
存在感があるので、会場のどこにいてもすぐわかります)
まず、講習会は、3名のオーナーが担当します。
いずれも、国内を代表する人気店のみなさまで、
洋菓子の 辻口博啓氏(自由が丘モンサンクレール)、
シェフでは片岡 護氏(西麻布リストランテ・アルポルト)、
そして 日高良実氏(広尾ACQUAPAZZA)です。 *パンフ掲載順
今回、10年来の知り合いである日高氏を中心に
講習の内容をお伝えします。
(開始前に厨房で記念撮影、
左が日高氏、右が片岡氏、中が貫田シェフ)
FM北海道の人気パーソナリティ・水本香里さんの司会で、
なごやかに講習が開始されました。
日高シェフの料理です。
薄い皮で包んだアスパラガスのフライ料理。
済ましたバターで揚げるのでとてもよい香りがします。
カルボナーラを本式につくって冷やし、
アスパラガスとそのピュレをあしらった、冷製パスタ。
日高氏の店名の由来となった、
魚の「アクアパッツア」という料理も実演してくれました。
魚を焼いて、水とオリーブ油で煮込んだものです。
水本さんからインタビューを受けましたが、
魚本来の味が引き出され、上質のオリーブ油の香りが印象的でした。
最後は、試食用にメヌキの半身を大きなパエリヤ鍋でつくった
アクアパッツアが取り分けられました。
一方、食材では。
浜中町の おおともチーズ工房の社長と常務。
湿原地帯で放牧された牛乳の熟成チーズがおいしかったです。
興部町の冨田ファームは、
父娘で参加され、有機牛乳の加工品が並びます。
日本人好みのグリエールやエメンタールを開発中ということで、
試食させてもらいました。
こちらは家庭でもおなじみの日高乳業。
モッツアレラチーズのスタンド袋が長い人気を保っているほか、
業務用の生クリームや発酵バターがすばらしい品質です。
厨房機器では、ホシザキ北海道。
従来より小型のスチームコンベクション・オーブンが気になりました。
コーヒーマシンを扱う札幌の企業、SSCは、
ホテルやレストランの高級マシン・エグロやサエコの機械を
コーヒー豆に合わせた微調整をしてくれる、
アフターサービスの行き届いた会社です。
最後に、輸入・生ハムを扱うアイランドフーズ社です。
イタリア北部の特殊な気候風土でつくられる、ピッカロン社の生ハムは、
乳酸菌などの熟成した風味が印象的で、
スライスしたハムは感動のいち枚でした。
そして、担当者がイタリア語に堪能で、とても楽しかったです。
今回は、誠実な食品を扱っている、
笑顔のすてきな企業の方にご登場いただきました。
ほかにもたくさんの熱心な食品会社が集まって、
三本さんの評判がより向上する催しになったと思います。
ご招待、ありがとうございます。
では、次回もお楽しみに!
2010/07/15 12:40札幌コメント(8)
- 2010/07/14[この記事のエリア] 旭川
- 旭川ペーパン黒米のお赤飯
~甘い水が流れる地域の絶妙なるお米~
米飯と書いてペーパン
珍しい名前のこの地域は、旭川市東旭川町にあります。
先日、以前から知り合いの、
古屋勝さん(当地出身・63歳)・良子さん夫妻の古屋農園に
農家民泊させてもらいました。
前の記事で料理講習をしたアトリエharemiさんからもすぐ近くです。
古屋さんは、農薬を減らしたコメやハウス野菜の農業者で、
出荷や契約栽培のほか、ご自身でもおコメを販売しています。
(珍しい品種のうるち米栽培)
中でも黒米(くろごめ)は、白米と炊くとその色の美しさが際立ちます。
(黒米などの栽培)
古代米とも呼ばれる黒米は、
ビタミンや鉄分が多いため、貧血防止や妊婦さんに有効とされ
抗酸化物質の色素・アントシアニンが多いので、
アルカリ土壌でよい色に育つと言われています。
じつは、このペーパン地区、畑の土や川水の甘みが強くて
アルカリに近いようで、
古屋さんの黒米は、じつによい色に炊き上がります。
それは、アズキを入れて炊く
本州のお赤飯にも似て食欲をそそりますし、
もち系米ですから、ご飯と炊くとよい粘りも出てくるのです。
しかし、古屋さん、「確かに色はいいよね。」、とさらりと言います。
(敷地内にある田んぼの絵文字
「にほんのあさはごはんがいちばん」と古屋さん)
このように、その地域には水や土の個性があって、
独特の「風土の味」のことを「風味」と言うのだと、私は考えています。
これからは、この風味を生かすような、その土地に調和する
農産物や品種選びが進んでゆくことに期待しています。
ということで、今回の
うまうま食材は
旭川ペーパンの黒米 です。
うまうま料理は、
旭川ペーパン黒米のお赤飯 です。
好みの量をおコメに加えて炊いてください。
「黒米だけ電子レンジにかけてから炊くといいよ。」(古屋さん談)
お取り寄せは
古屋農園
〒078-1272旭川市東旭川町豊田396-2
電話0166-76-2668 FAX 0166-76-2252
*作業で電話はつながりにくいので、Faxで注文・連絡を!
黒米 200g1袋400円、配送料は道内500円(30kgまで)
近いうちにHP販売も考えています。
(古屋農園のおコメとお赤飯)
追伸
民泊した部屋とトイレが快適で、洗浄機付きトイレが気に入りました。
幻の「白アズキ」がおいしい土地柄、いつかペーパン産の
「白いお汁粉」も食べさせてください。
カフェも楽しみにしています。
(白汁粉、古屋さんの白アズキでシェフの特製)
2010/07/14 14:02旭川コメント(10)
- 2010/07/12[この記事のエリア] 旭川
- 旭川の田んぼ de野菜フレンチ講習会
~ペーパン野菜と彦一にんにくで料理教室~
前回、旭川市の彦一にんにくを取材しましたが、
次の日には、市内の農村地区で料理教室を開催しました。
その地区は、
北海道民にもあまり知られていませんが、
全国的に有名な旭山動物園の裏側にあります。
南北を山に囲まれた旭川市東旭川町は
3つの地域があって、ペーパンと呼ばれる米どころ。
豊田、米原、瑞穂と、だ液が出てきそうな名前が並んでいます。
このペーパン、漢字はなんと「米飯」と表記され、
その上、ここを流れる米飯(ペーパン)川は、
アイヌ語で「水・飲む」とか、「水・あまい・川」の下略とも
専門書に記載されていたのです。
このことを友人・カブタンのブログで見て、気になっていました。
そういった中、そのブログで再会したのが、
ペーパンでおむすびを製造販売する農業栄養士haremiさんです。
今回、せっかく旭川に行くので、
ペーパン地区でとれた農産物で講習会をやろうということになり、
「うまうま料理教室inアトリエharemi」を開催することになりました。
友人・エビちゃんの声かけで、
旭川周辺の人気ブロガーや地元農業者など、
20名に集まってもらいました。
見知らぬ参加者同士で、朝から集合して
いっしょにつくったり、盛りつけたりしながら、
12時には、13品の農産物・フランス料理を用意しました。
(写真は、参加者でつくったり、盛り付けたりした料理の一部です)
内容は、参加されたブロガーのみなさんが
詳しく書いてくれましたので、ぜひ、こちら↓を参考にしてください。
*自分で撮った写真は2枚しかありませんでした。()
*参加者で追加がありましたら、お知らせください!
アトリエharemiのharemiの想い。 の haremiさん
さゆっぽのペペラーなブログ の さゆっぽさん
闘う!?北海道フードマイスターの日々☆ の mameさん
☆ひまわりのパンアルバム☆ の ひまわり☆さん
わさび茶漬けよりウマイもの の 一本松さん
野菜ソムリエエビちゃんの迷ったらごはん♪ の エビちゃん
お米作りの傍ら 豆腐を作り 味噌も造っているんだよ の みーさん
*体裁は、さゆっぽさんのブログを参考にさせて頂きました。
今回の うまうまメニューは、こちらです。
1 ミニトマト・マリネ
2 キュウリのビネガー風味
3 ピーマンのマリナータ
4 ズッキーニのマリネ
5 ナスのマリネ、ニンニクみそ風味
6 黒千石のラタトゥイユ
7 ミズナとベーコンのホットサラダ
8 ワイルドハーブのサラダ
9 オムレツ~シェフ実演&実習
10 短角牛のコラーゲン煮込み
11 彦一にんにくのパエリヤ
12 アズキのムース
13 ミント・ティー
折を見て、つくり方を紹介します!
☆ペーパンの記事は、友人であるカブタンのブログを
参考にさせて頂きました。ありがとうございます。
掲載ブログは、こちらです。→http://blogs.yahoo.co.jp/hokkaido131313/51977096.html
2010/07/12 19:45旭川コメント(24)
- 2010/07/11[この記事のエリア] 旭川
- ニンニクのパエリヤ ~ホットプレートで簡単に!
「元気が出るけど臭いがきついし、食べ過ぎると胃が痛くなる。」
いい食品とはわかっていても、
いつも食べられるとは限らないのがニンニクです。
ところが、ふつうのものと違い、
臭いは控えめ、胃に強すぎないニンニクが旭川にあります。
そのニンニクをつくっているのは、
旭川市にあるグリーンテックス㈱の社長、
佐藤一彦さん(旭川市出身・66歳)です。
4年ほど前から販売されて、市内を中心に全国で人気が出てきました。
そこで今回の
うまうま食材は
彦一ニンニク です。
名前は、「彦一(ひこいち)にんにく」と商標登録され、
有機認証を取得しています。
糖度が高くて生で37度、干すと驚異の40度と、
メロンの13~14度を大きく超えます。
畑の土がふかふかなので、少しなめてみると、
カルシウム系の甘い味がして、かすかにマグネシウムのほろ苦味を感じます。
なぜわかるのか、佐藤さんも驚いていましたが、
聞くとホタテ貝の殻や海の塩を活用しているということでした。
佐藤さんの本業は、土壌改良に明るい公共緑化事業です。
その技術を生かして、従来とは異なる無農薬栽培を、
人を元気にするニンニクで挑戦したいと考えたのです。
その佐藤さん、「土を豊かに健康に太陽の力で育てる」の言葉通り、
ニンニク栽培と販売も順調に伸びてきて、
5年前にお会いしたときより、ぐんと若くなったように感じました。
(写真は、佐藤さん(左)とシュっとした番頭の藤原さん)
さて、
今日の料理は、
彦一にんにくのパエリヤ です。
今回は特別にレシピを公開します。
まず、注意点が2つ、あります。
☆ふつうのニンニクを使うときは、2割ほど量を減らすといいでしょう。
☆でき上がりが1.2リットルほどになりますので、
使うプレートに水を入れて計ってからつくってください。
<材料> ホットプレート1台・3~4人分
コメ 3 合
バター 2 大さじ
ニンニク 2 大さじ みじん切り
タマネギ 1./2 個 みじん切り
コブ出し 500 cc
牛乳 100 cc
食塩 1/2弱 大さじ
玉ニンニク 適 量 なくてもよい
<準備>
1 コンブと水を弱火にかけて煮出してコブ出しをとる。
2 コメはといでざるに入れて30分水をきる。
3 コブ出しと牛乳は沸かしておく。
<つくり方>
ホットプレートをヒーターの中で加熱し、バターを溶かしてニンニクのみじん切りをいためる。
香りが出たらタマネギみじん切りを入れていためる。
透き通ってきたら、ヒーターの強で、といだコメをいれていためる。
バターがなじんで、コメが熱くなるまでいためる。
*だんだん温かく、熱くなってきます。
コブ出しを注ぐ。
牛乳を注ぐ。
食塩と玉ニンニクを好みで入れて沸騰させ、
沸いたらヒーターを中にして煮る。
水分が少なくなったら、ふたをして、ヒーターを弱で15分煮る。
おこげができていなければ、
ヒーターを中にして、パチパチ音が出始めるまで加熱する。
*コメは硬めが好みならこれででき上がり。
柔らかめなら、あと10分ヒーターの中で蒸らす。
おこげができて、おいしそう!
今回は、北海道の材料を使ったピラフに近い料理です。
ホットプレートでつくってパエリヤのイメージを出してみました。
さて、彦一にんにくですが、現在は品切れ中です。
しかし、収穫が順調ですので、近いうちにHPで予約を開始して、
8月頃から出荷できる予定です。
彦一にんにくは、覚えやすい名称と個性的な包装形態ですので、
健康を贈りたいギフトにもうってつけ。
北海道民が自信を持ってお薦めできる食材ですよ。
では、おいしいニンニクを召し上がって、
今年の夏もお元気で!(@^^)/~~~
2010/07/11 17:31旭川コメント(6)