シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典
北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記
2013年3月
- 2013/03/25[この記事のエリア] 札幌
- 東京で公共グルメ
外務省・前のさくら
少し強いくらいの陽ざしを浴びて
公共施設の食堂散策に出かけました。
霞が関は、銀座や虎の門からも10分くらいで
お得なランチメニューが揃っていますので、
さっそく、ご紹介いたします。
各庁舎は、
入場の時、少しめんどうですが、難しくはありません。
まず、正面の入り口で受け付けをします。
所定の用紙に記入して、
昼食を食べにと、正直に言いました。
そして、身分証明書を見せると、
ICカードのようなものを渡されるので、自動改札機(?)に
それをピッとかざすと出入りできるようになります。
まずは、農林水産省などが入っている合同庁舎1号館。
写真・右は、農水省の看板とカツラの木。
私の名は、桂一ですがカツラ(桂)の木からもらいました。
こちらの庁舎には、いくつか食堂があります。
(おむすび専門店はテイクアウト。今日は写真・右の職員第五食堂を利用します)
さすがに農水省のある施設、メニューの横に自給率が表示され、
なんと、セットのご飯を玄米にかえることもできます。
民間の企業が受託されているよう。
本日はハンバーグセット(玄米ご飯)にしました。
雰囲気で選びましたが、540円のセットとしては、ずいぶんお値打ち価格です。
ハンバーグは、肉感というよりヘルシー系、
ソースが好みでなく、次回は、ソース不要と頼もうと思いました。
玄米ご飯は、硬さと噛み応えのあるおいしいものでした。
次の日は、合同庁舎4号館。
ある省庁の内緒の集まりがあって行きましたが、最後に大臣も出席しました。
飲食店は、いくつかあるようですが、お薦めは正面入り口・左奥のお店です。
職員食堂としては、しっかりした高級メニューも取り揃えています。
わたくしは、並(月)握りのセットを頼みました。
マグロが2貫づけで鉄火巻きつき、ボイルえびなど、
江戸前系のネタが並んでいました。
750円なら、じゅうぶんおいしいです。
東京での日常ランチは、
コスパ
(コストパフォーマンス)の
高い公共グルメが
お薦めです。
都内で
お値頃価格の
ランチも食べてみよう!
For M.kudou in Tokyo
2013/03/25 22:59札幌コメント(6)
- 2013/03/25[この記事のエリア] 札幌
- 東京で桜満開!
先日、東京では桜が咲き乱れ、
日向では札幌の6月くらいの
陽気を感じました。
銀座方面からゆったり歩いてゆくと
日比谷公園があります。
北海道民からは、
とても3月とは思えません。
今回の訪問先、霞が関は、けっこう桜が楽しめます。
銀座から歩いている途中に、満開の公園もありました。
合同庁舎1号館の農林水産省が会場です。
日比谷公園から見た農水省(左の小さい建物)
壇上には、大臣政務官や食料産業局長と
全国地産地消推進協議会の小泉武夫・会長が並びます。
今回の目的は、
東京農業大学・名誉教授である小泉先生の講演を聞くことです。
小泉先生は、北海道に縁が深く、道庁から
北海道名誉フードアドバイザーを委嘱されていたこともあり、
各地に指導を受けた食品があります。
七飯町のななえりんごわいんスパークリングなどなど。
講演は、
各地の地産地消の取り組み紹介と
地産地消の意味するものとして、
学校給食で自給率が高い地域は、
あるアンケートよると、
「住んでいるまちが好き」と答える
中高生が多かったということです。
それなら、輸入自由化をして自給率が下がると、
多くの日本国民が住んでいる「まちが嫌い」と
言うようになるのではないかと、感じました。
小泉先生とは、私も講演会などで
何度かお会いしたことがあり、
2009年には羽幌町・焼尻島へ同行しました。
幻のサフォークラムにシェフ持参の塩を振り、
炭火で焼いて召し上がってもらうと、 たいへん喜んでもらえました。
後日、先生は、日経新聞の連載で
「おいしさ世界一」と、いつもより大きな枠に、
「噛みしめる肉からはピュルル、チュルルと上品なうまみと
優雅な甘味が出てきて、驚くべきものであった」と記され、
私も世界に誇るラム肉だと再認識しました。
今回は、平成24年度 地産地消 優良活動表彰の表彰式でもあり、
静岡県富士市 学校給食地場産品 導入協議会が
農林水産大臣賞を受賞されました。
今年は北海道からも受賞団体が出てほしいと思います。
総評は、審査委員長、筑波大学名誉教授の永木正和氏。
以前、帯広畜産大学にいらっしゃったそうです。
ということで、
わたくしとしては、
小泉先生の熱い基調講演で
輸入自給化への心配が
自分の思い通りであると
納得するような、
貴重なお話を聞くことができて、
充実した出張となりました。
2013/03/25 22:21札幌
- 2013/03/24[この記事のエリア] 帯広・十勝
- 十勝の小学生と討論会
場所は、十勝の清水町立清水小学校。
3月22日、
卒業記念食育授業として、
6年生70名に
5時間目の授業を行いました。
じつは、
昨年11月、道教委の派遣で
同校の授業を行った際、
5年生のほとんどが
「箸をちゃんと持てる」ことに感動して、
今回、好意で訪れました。
清水町立清水小学校と校長・石川満先生。
石川校長は、
とても食いしん坊で、特においしいおそばには目がありません。
おのずと児童の食についても目が届き、指導にも熱が入ります。
*箸と鉛筆の持ち方には、共通点があることを教えてくださいました。
授業が始まると、地元食材のスイーツでおもてなししました。
小豆を煮てヨーグルトを混ぜた「清水あずきヨーグルト」です。
栄養教諭の宇都宮さんにつくってもらいました。
材料のあずきコンポート、砂糖、ヨーグルトです。
森田農場の奥さまとお子さんたち(弟さんが顔半分ですみません)
しとやかな甘さと香ばしさが、小豆の風味を引き立ててくれます
(写真がなくて、すみません)
授業の内容は、
◆食育とはどんなことなのか、
◆きちんと授業を受けると生きる力がついて、将来、楽しいことが多くなること、
◆地元の食べものを、よく噛んで、感謝して食べると人生を楽しめるということなどを
話して、たずねて、手を上げてもらって、話し合って、シェフのメッセージを伝えました。
あんこが嫌いな児童が多い中、
このあずきヨーグルトはおいしい!と喜ばれました。
日本が誇れるほどの清水のよい食材を、
大人になっても、忘れないでねと子どもたちにお願いしました。
最後にみんなで写した記念写真
6年生の「ニュース」に記事を載せてくれました。
今回の授業は、
子どものためでもあり、
自分のためのようでもありました。
とういうのは、
子どもたちの
キラキラしたエネルギーを
分けてもらえた
貴重な1時間だったからです。
6年生のみなさん、
卒業おめでとうございます。
校長先生はじめ、教師のみなさん、
年度末のお忙しい中、
ほんとうに
ありがとうございました。
2013/03/24 19:28帯広・十勝
- 2013/03/24[この記事のエリア] 帯広・十勝
- 十勝の農家二代目と討論!
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みなさん、「音更」は、
何と読むか知っていますか?
オトサラ、オンコウ・・・、
そうオトフケ町です。
札幌市民は、
意外と知らないですよね。
さて、先日、その音更町へ講演会で出向きました。
「音更町~食材のよさと農業の将来」と題して、
音更町ふれあい交流館で開催されました。
なんと、今回、地元食材の試食付きです。
シェフのレシピで
地域のみなさんといっしょにつくった料理を
試食しながらの勉強会は、
とても有意義なものでした。
料理は、前菜プレートとデザートひと品です。
前菜は、こちら。
音更ダイズの白黒ペーストと音更チーズ(写真・右側)
大豆と黒大豆のドライパック缶をペーストにして、
よつ葉カマンベールを添えました。
チーズ2切れはそのままでおやつ用、
残りは塩0.5%量を振って、
ワインがおいしく飲める塩分濃度にしました。
音更ニンジンのマリネ(写真・中央)
越冬させた土付きニンジンを皮付きで
千切りにしてソテーしたもの。
塩1%・コショウ、ビネガー、マスタードを振り、
地元産・ナタネ油で仕上げます。
地元産小麦粉の手づくり薄焼きパン
(写真なし、直前にお皿の左側に盛りつけました。)
町内の名企業「ヤマチュー」さんで製粉した強力粉を
ナポリピッツアの配合で焼いた、小麦の味はじんわり響く
フォッカチャ風のプレーンのパン。
音更あずきのきな粉ヨーグルト(写真なし)
JAおとふけ食品で製造する餡に、地元きな粉と
よつ葉ヨーグルトを加えて混ぜただけの、お手軽スイーツ。
というように、音更町には、
すばらしい食材や食品が揃っているのです。
講演の内容は、こういった感じです。
音更町の農産物は、
多岐に渡る肥よくな土壌があって、多品目がとれます。
また、規模が大きく、収穫量・日本一とか作付面積一位などの
ニュース性が高いことがあります。
そして、地元の加工会社と連携が最大の強み。
よつ葉乳業十勝主管工場、
加工食品のJAおとふけ食品、
「ヤマチュー」で知られる製粉業の山本忠信商店など、
名企業が並んでいます。
もうひとつのテーマは食育です。
食育は、「食卓の教育」の略称だと、わたくしは考えています。
食卓で、食の大切さを知っている人から、
知らない人へと守り伝えて行く
大事な行為だと思います。
食育から考えると、
TPPは、ほんとうに
よいことばかりなのでしょうか。
熱意ある、地元農業・二代目のみなさんに
意見を出してもらって、
北海道の将来も考えてみました。
わたくしたちの子どもや孫、
そして、100年先まで
地域の味を伝えられるよう、
努力することが
道民や農・漁民の
役目のようにも感じました。
2013/03/24 15:33帯広・十勝
- 2013/03/17[この記事のエリア] 札幌
- きらりっぷ食品ってご存知?
みなさんは、
「きらりっぷ」という食品を
知ってますか?
このマーク↓がついていれば、
道産原料を使った日本酒、
吟味した原乳を使ったナチュラルチーズ、
基準の方法でつくられたサケの山漬け
などなど、
15項目の分野で
60品目が認証されています。
「北海道庁が道産食品であることを証明する
公的なマークを紹介します。
左が、「道産食品登録制度」登録食品のマークです。
北海道産の原材料を使って、北海道内で製造された食品の証明です。
右は、北海道庁が道産品として認証・登録している食品(登録食品と
「きらりっぷ」食品)にのみ表示できる北海道のロゴマークです。」
* * * * * * * * * * *
ところが、
このきらりっぷ商品は、
次のような規格で選ばれています。
1原材料
2生産情報
3衛生基準
4商品特性
5おいしさ
*ふつう、公的機関が認めるときに、
おいしさは、入っていないですね。
そして、これら5つの項目について、
公的に証明(=認証)する制度を
「道産食品独自認証制度」、
愛称・きらりっぷ
と呼んでいるのです。
2004年度から始まっていますが、
まだまだ、あまり知られていません。
よく探すと、道産品コーナーには、
けっこう置いてありますので、注意して見てください。
北海道が世界に誇れる名品ぞろいです。
新得町・共働学舎のナチュラルチーズ
北海道洞爺湖サミットで喜ばれたものなと、名品揃いです。
安平町のチーズ工房・角谷のカマンベールチーズ
興部町・冨田ファームのナチュラルチーズ
このそばは、低温乾燥なので、ゆでる時にいつも、新そばの香りがします。
NSニッセイのサケ山漬けは、よい原魚を熟成させたすぐれものです。
じつは、この制度を始めようとする2002年、
私は、「検討委員」として参加しました。
当時、堀・前知事に「(品数は)少なくてもいいから、
貫田さんの厳しい目でいいものを選んでください。」
と頼まれていました。
このたび、2013年版の
オフィシャルブックもできて、
主旨や基準、品目や全品の紹介、
そして、それらを活かしたレシピも掲載されています。
料理は、「寿司屋のおかみさん」↑と貫田シェフ↓が担当しています。
先日の業務用・展示会できらりっぷ商品が
大手食品メーカーと肩を並べて、展示・試食されました。
ようやく、きらりっぷ食品が、料理人や飲食店の
関係者に知ってもらえる場ができたのです。
今回、道庁の担当者も周知のために来てくれて、
プロの方々に、親切に説明してくれました。
きらりっぷのことなら、なんでも詳しいお二人です。
北海道 農政部食品政策課、写真・左は忠津 章さん、右は榊原 滋さんです。
* * * * * * * * * * *
こういった、品質がよくて
少し高級な認証食品は、
ときどき、楽しむことに加え、
高く売れる本州や外国で
プロの人びとが満足度の高い料理に
仕立てることによって
より、北海道のイメージを高めてくれる
重要な食べものだと思います。
そのためにも道民は、
日頃から気を付けて、
とっておきの時に、手に取って欲しいです。
そして、ギフトには
「赤い」きらりっぷ「印」の食品を
ぜひ、選んでください。
おいしい北の宝物は、
けっこう身近なところにありますよ。
* * * * * * * * * * *
2013/03/17 19:13札幌