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シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典

北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記



2010/08/14[この記事のエリア] 大沼・鹿部・松前・江差
農業賞の審査で道南へ!
RIMG3149試食表紙.JPG
 
先週、2回目となる第7回 コープさっぽろ農業賞 
現地審査のため、道南方面に行ってきました。up
 
前回の十勝のもようは、シェフ・ブログ農業賞HPも参考にされて下さい。
 
さて、この賞、「消費者が応援したくなる生産者を審査する。」と
審査委員長の飯沢理一郎さん(北海道大学・教授)が話すように、
消費者からの目線で審査しています。
 
今回の行程は、
札幌市南区→渡島・北斗市→函館市(泊)→せたな町(2軒)
1泊2日で訪ねましたが、けっこうな距離でした。bus
 
1軒目は交流賞。札幌市南区
砥山農業クラブ(とやま)は、
RIMG3126りんご.JPG
 写真は果樹園で説明する瀬戸さん
 
10年前から、代表者の瀬戸修一さんら 地域の8軒が任意団体として、 
消費者交流を続けています。
 
中でも「砥山農業小学校」という活動は、
7年前から、毎年5~10月に6回の農業体験などを
小学生とその親に実施しています。
 
これは、農作業のほか、ツリークライミングなどの自然体験もあり、
収穫時はかなりの人気になるそうです。
瀬戸さんは、地域も協力してくれて、
人が来ないところに人が来たと喜んでいます。:)
 
RIMG3131砥山.JPG
 左が瀬戸さん、右はイケメン農家の桜井さん

  

次に、渡島・  北斗市  で安全な農業を心がける
しみず農園 清水千万幸 (ちまゆき)さんです。
こちらの畑は雑草がきれいに取り除かれています。
 
RIMG3137清水様.JPG
 写真は、清水さん(左)と事務局長の石坂さん
 
仕事に対してとても熱心で、
例えば、作物は1列ずつ品種を変える実験などにも力を入れています。
栽培は、畑作が有機JASでお米は特別栽培など、
畑の場所などに合わせて手の届く範囲にしています。
 
RIMG3143集合.JPG
 写真は清水さんと審査委員らの記念撮影
 
枝豆は、茶豆とふつうのものとのかけ合せとのことで、
濃厚な味がしました。
RIMG3149試食.JPG
 しみず農園で収穫された野菜の試食
  *トマトの品種は「トマトベリー」、キュウリは「ミニQ」のビール漬け   
 
宿泊先は、函館市内、五稜郭地区でタワーが見えます!
RIMG3159函館泊.JPG
 
2日目、大雨となりrain、檜山北部では川が増水して怖いくらいでした。
見学中、なぜか雨足がおさまったのが、
せたな町 瀬棚区で家族経営をする 村上牧場です。
 
RIMG3169村上農場.JPG
 写真は、村上信夫さん(左)と家族、後方の山と草地が放牧場
 
5年前から適正な頭数で放牧酪農を始めましたが、
牛の頭数や乳量が減っても、エサ代などの経費が浮いて、
経営が安定した上、牛の平均寿命が長くなり、
健康でよい乳が出るそうです。
 
RIMG3184村上一家.JPG
 
写真は、右:村上信夫さん、中央:奥さま(アイスクリーム担当)、
左:息子の健吾さん(チーズ担当)
 
加工では奥さまが自家農場産乳でアイスクリームを、
息子さんが手作業のチーズを製造しています。
Uターンした息子さん、地域に尊敬できる農家があり、
せたなは、いいところだと、胸を張ります。happy01
RIMG3182チーズ.JPG
 *村上牧場のHPはこちら。
 
お昼ごはんは、せたな町の「特産品直売所わっかけ」。restaurant
イカ刺しとウニ汁のセットを頂きました。
RIMG3192せたな昼食.JPG
ウニ汁はコンブ出しがしっかり効いていました。
HPはこちら。
 
RIMG3164コープ2人.JPG
 三本杉岩前でコープさっぽろ農業賞・事務局長の石坂さん(左)と
 コープさっぽろ・常務理事の中島さん(右)
 
最後は、せたな町 瀬棚区の富樫一仁さん、
 秀明ファーム北海道(しゅうめい)の代表です。
こちらは、自然を大切に考え、自分で種をとって植える栽培や、
油・豆腐など、加工品の委託製造と販売をしています。
RIMG3194秀明F.JPG
 写真は、自家採種7代目のダイズ畑の前で富樫さん
 
栽培や加工に細やかな配慮が行き届いているのは、
ご自身が大人になってもアレルギーで悩んだことがwobblyきっかけだと話します。
フランスの高級レストランに卸すナタネ油や豆腐の味の深さが印象的でした。
 
RIMG3197菜種油.JPG
自家採種した種からしぼるナタネ油2種類
  秀明FのHPはこちらです。
 
このところ、若くて、楽しそうに働く農業者が増えてきたようで、
審査委員の荒川義人さん(天使大学・教授)は、
「労働のたいへんさを感じさせない、新しい農業のあり方」と話します。
私も審査ごとに新しい発見をしています。note
 
次回は8月下旬に道北方面で、
妹背牛町、稚内市、興部町、美瑛町と走ります。rvcar
 
では、皆さま、お楽しみに!

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2010/08/14 10:47大沼・鹿部・松前・江差コメント(18)


コメント一覧

byharemi

雨降りの道南審査大変でしたね。
キュウリは親指姫?最近色んな品種の
ミニキュウリありますよね!?
このミニトマトはベリートマトですよね?
茶豆の枝豆スキです。でも収量があまり
良くないから作るの止めました。
秀明ファームさんのナタネ油気になる!なる!

2010/08/14 17:58

byみっちーdesu♪

シェフ♪こんにちは!m(__)m
みっちーもこの頃思うことは
楽しんで農業をされている方が増えて
来ましたよネ(*^^)v
地域の生産者さんと接っしてお話を聞く
とほんとに,熱く語ってくれるんです(^^♪
そのような,生産者さんをみると応援を
タックサンしたくなりま~す。(@^^)/~~~

2010/08/14 19:06

byみっちーさま ←シェフ貫田

そうです、明るくて楽しそうな農業者が増えていますよね。
熱心な人の話しは、ためになるし、元気をもらえます。
おいしい作物でわたしたちを応援してくれているのでしょうね。(^o^)V

2010/08/14 20:05

byモモンガ

砥山農業小学校の活動は、聞いた事があります。サクランボの種飛ばし競技していたような・・・
しみず農園さんのキュウリは、一般種の早採り?それとも太くて短いからピッコロでしょうか。
ミニトマトはトマトベリーですね。半分に切るとハート型になるので好きです。この形を活かした盛りつけ例ありましたら教えて頂けないでしょうか。

2010/08/15 18:10

byモモンガさん ←シェフ貫田

◇砥山の活動は有名ですよね。最近はツリークライミングが人気だそうです。
◇キュウリは、「ミニQ」という品種だそうです。
  しみず農園さん、とても熱心で珍しい種も手に入れています。
◇トマトベリーは、イマイチ、よい盛りつけがありません。
  湯むきして、ドレッシングを振ってマリネにしてみようかと考えています。

2010/08/16 09:32

byカブタン

シェフが行った2~3日後の大雨(再び)の日に、道南に里帰りしてきました~。
せたなは、力づよいですね~。いろんなパワーがさく裂しているような気がします。食材も海のものあり、野菜あり、お米あり、お肉あり、チーズあり・・・・。
もう何でもかなりのレベルになってきているような気がします。

2010/08/16 19:50

byさゆっぽ

こんばんは~
いつも美味しそうな記事ありがとうございます~
一枚目の画像のトマトの隣はシシトウかと思ったらミニキュウリなんですね~?
美味しそう!!
チーズも気になりましたが、ウニ汁食べたいです~

2010/08/16 20:57

byセタナのムラカミ

先日は雨の中視察して頂いてありがとうございました。
説明のほうはなれないうえに言葉足らずで空回りみたいなものですが、貫田さんがクローバの葉を食べた時の感想がおもしろかったです。こんど他の牧場のも食べて比較してみようと思っています。

2010/08/16 21:30

byカブタン ←シェフ貫田

◇道南方面は大雨でたいへんでしたね。
◇せたなは、いいですよ。若くて熱心な人たちががんばってます。
  せたな食材のフルコースは、すばらしいものになると思います!

2010/08/16 22:51

byさゆっぽさん ←シェフ貫田

いつもコメント、ありがとうございます。
おいしそうなシシトウでしょう!じゃなかった、ピクルス用のミニキュウリです。
チーズもよかったですし、もちろん、ウニ汁は◎でした!

2010/08/16 22:53

byセタナのムラカミさん ←シェフ貫田

コメント、うれしいです!
健吾さんの説明は良かったですよ。審査委員も目頭が熱くなりました。
牧草がおいしくないと、おいしい乳は出ませんので、私は牧草を食べることもあります。
ただし、おいしい牛乳で健康な牛がいる牧場でないと、食べる気が起きません!?

2010/08/16 22:57

byさらりぃ

まだまだ知らない野菜がたくさんあることに驚きです。
枝豆は採れたて、すぐに茹でたモノに限りますね、それもおいしい“塩”で!
「茶豆」一度食べてみたいです。
作物を作ることも、動物を育てることも、無理をせず「手の届く範囲で」がとても大事なことだと思います。
「本物の味」を伝えること、加工して生かすこと、応援したいことばかり!
頑張っている人は、みんなとっても“いい笑顔”ですよね!
私が審査員なら・・・きっと審査できません(笑)

2010/08/17 17:09

byさらりぃさん ←シェフ貫田

◇野菜は、改良品種も増えてきて、たくさんありますよ!
◇おいしい塩で食べる採れたての野菜は、元気をもらえます。
◇そして、長く継続できるのが「手の届く範囲」の農業だと感じます。
◇誠実な食品は道民がどんどん「食べ支え」して応援したいですね。
◇訪問先のみんなの笑顔がすばらしいので、審査はたいへんです。
  委員の間でもけっこう厳しいやり取りがあって、たいへんですよ!

2010/08/17 17:19

byharemiさん ←シェフ貫田

haremiさん、コメントの返事を忘れて、すみませんでした。
キュウリは、「ミニQ」だそうで、ビール漬けが絶品でした。
茶豆は、いい味ですよね。でもたくさんとれないそうですね。
秀明・富樫さんのナタネ油は、おいしかったです!
北海道の「地油」(じあぶら)になるかもしれませんね。

2010/08/18 08:36

byYT

この間は、豪雨の中お疲れ様でした。
どの生産者も本当に素晴らしい方ばかりでした。
しみずさんの枝豆は、悔しいくらいに美味しかったです(笑)
ものすごい情熱にあふれていました。
村上牧場で記念撮影したときに、ご挨拶してくれた
牛の優しさ、人懐っこさは、村上さんの優しさが
伝わっている証拠だと思いました。

2010/08/19 16:48

byY.Tさん ←シェフ貫田

前回の審査も楽しかったです。
しみずさんのエダマメは、品種がよいのとゆで加減・塩加減が絶妙でしたね。中札内と競っていますよ。
村上さんのチーズを自宅で食べてみましたら、イネ科の草の味がよく出ていて、後味の響くおいしさでした。
次回も、楽しみにしています!

2010/08/19 17:00

by一本松

ミニQ美味しそうだ
貫田シェフがんばってますね〜〜〜

2010/08/20 02:54

by一本松さん ←シェフ貫田

ミニQ、おいしかったです!
こちらは、土づくりや雑草取りなど、とても美しい仕事で
感動しました。私も元気をわけてもらいましたよ!

2010/08/20 08:59




シェフ貫田

Profile

[ 名前 ]
シェフ貫田

[ 得意ジャンル ]
料理

[ 職業 ]
フードディレクター(元シェフ)

[ 自己紹介 ]
札幌市在住で1960年生まれ。大阪の調理師学校を卒業し、札幌市内のホテルなどで修業。32歳でホテル料理長となり14年間勤めた後、早期退職して2007年、ヌキタ・ロフィスドを設立しました。現在は、講演や食に関する指導・演出をするフードディレクターとして活動中!
2008年北海道洞爺湖サミットで、ロシア政府代表団の料理指導を担当。2015年イタリア・ミラノ万博「北海道の日」で食の総合監修、農林水産省「地産地消の仕事人」、北海道食育コーディネーターなども務めています。著書に「北の料理人」IとII(晶文社)。
特製「コロッケde北海道」シリーズは、コープさっぽろトドックやどさんこプラザで人気です。専門は、ご当地メニュー&特産品の開発指導、食と観光を活かした地域づくりの助言、食育講習などで、「防災・ご当地グルメ」も研究中!


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