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シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典

北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記



2010/08/07[この記事のエリア] 石狩・空知
道庁さんのおかげで続く伝統的ベーコン
RIMG3115ひと口.JPG
 
エーデルワイスファームは、北広島市で
とびきりおいしいハム・ソーセージを製造販売する企業です。happy01
 
今回、「幻のベーコン」ができ上がると聞き、
野崎 創(はじめ、恵庭市出身・41歳)社長を訪ねました。
 
こちらでは、70年前から野崎さんの祖父が、牧場経営のかたわら、
乳製品をつくったり、豚肉加工をしていました。restaurant
 
その加工のレシピとなったのが、77年前に出された
北海道庁産業部(当時)の「簡単豚肉加工法」という冊子です。
 
特別に見せてもらうと、記載された単位は匁(もんめ=1匁3.75g) の上、 
材料名は旧字体の漢字でした。(読めません!)
 
長い間、自家用だった加工品を、
24年ほど前から、会長でお父さまの野崎 健美  (たけよし)さんが
ハム・ソーセージ類の製造と販売を始めました。
 
RIMG3056レシピ野崎.JPG
 (写真は、野崎会長と豚肉加工のレシピ集)
 
古いドイツの伝統手法に加え、独自の氷温熟成などを行なうため、
でき上がる量は少なく、漬け込み時間も何倍もかかる誠実な製品です。
ほんとうに手間がかかりますが、つくり方はこちらを参考に。
RIMG3066薪入.JPG
 (スモークチップではなく、薪をくべるところ)
 
RIMG3092上り.JPG
  (薫煙の終わったベーコン) 
 
中でも逸品が、その手法を駆使してつくる「幻のベーコン」。
工房で製造過程を見学しました。
でき上がった商品を味わってみると、冷蔵庫から出したすぐでも、
脂肪がやわらかく、指で押すと、低反発まくらのような感触です。
 
RIMG3105ブロック.JPG
 
さっそく一枚切って焼いてみました。
じりじり焼き音がすると、薫製のよい香りが漂って、
わくわくするような気持ちになってきます。confident
 
両面に焼き色をつけて、ひと口噛みしめると、
脂の甘さと肉の味がずんずん響いてきました。
あと味に熟成チーズのような風味も持ち合わせていて、
こんどは、気持ちが遠のきそうになりました。happy01
 
この原料は、石狩市のノース・ベスト・ファーム で育てられている 
望来豚(もうらいとん)」で、自社製の発酵飼料を与えるなど、
頭数も少なくて人気の出てきた豚肉です。upwardright
 
この肉があったからこそ、このベーコンができたと思いますが、
野崎会長は、古いレシピを見ながら、
こんなにすごい資料をつくった道庁さんのおかげといいます。
 
戦前、物資も豚肉も少なく、冷蔵庫もない時代に紹介された
豚肉加工のレシピが、野崎家三代に渡って守り伝えられ、
北海道の誇る名品となりました。
これからも末永くつくり続けて頂きたいです。
 
RIMG3080直売所.JPG
 (左は野崎健美・会長、右が野崎創・社長、中が貫田シェフ)
 
ということで、今回の
うまうま食材はshine望来豚ベーコンshineです。
脂身が多いのですが、
調味料として、料理に使うと抜群のおいしさを
発揮します。 
 
そして、今日の料理は、
ベーコン・ソテーです。
 ふだんはカリカリ・ベーコンもおいしいですが、望来豚ベーコンは、
まず、焼き過ぎないで味わってください。
RIMG3112ベーコン.JPG
 
そのあとは、細く切ってニンニクといためて、調味料のようにして
パスタなどで召し上がってはいかがでしょうか。
 
 お取り寄せは
  HPから望来豚ベーコン
 
 
flairお知らせflair 
 
今月末にこちらを会場にした、おいしそうなイベント が開催されます! 
道内のよい食材や加工品が楽しめる、人気沸騰中upの催事です。
エーデルさんの福袋をはじめ、札幌開拓使ビール、望来豚の串焼き、
恵庭の行列ジェラート店なども出店予定です。note
 
         ~ sun ~
 
名称 初秋の味覚祭フロンティアフェスタVOL.3
 
日時 8月28日(土)10:00~16:00
    8月29日(日)10:00~15:00
 
場所 エーデルワイスファーム
住所 北広島市輪厚531-7
     輪厚スマートIC札幌方面出入口すぐそば
料金 入場無料雨天決行
バス JR北広島駅からの無料送迎バスあり
    できるだけ公共交通無料バスをご利用ください。
HP  詳しくは、こちらも参考にしてください。
 
 
 では、次回もお楽しみに! 道南方面の生産者を紹介する予定です。

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2010/08/07 15:42石狩・空知コメント(14)


コメント一覧

byカブタン

食べ物の一品一品に物語があることってステキですね。
伝統の味を守り続け伝えてくださること、野崎さんご一家に感謝します。
貫田シェフに北海道じゅうの食材を教えていただき、楽しいです♪

2010/08/08 08:26

byカブタン ←シェフ貫田

長く続く誠実な食べ物は、その物語を大切にしたいですね。
そして、わたくしたち、道民が食べ支えや買い支えをしながら、
守って行かなければいけないと思います。
これからも、ぼちぼち紹介いたしますね!

2010/08/08 12:35

byさゆっぽ

さゆっぽは豚肉は苦手ですが、カリッと焼いたベーコンとかソーセージは大好きなんです・・・・

エーデルワイスさんの商品も以前に食べた事があります・・・
手間暇かけて作られた物は美味しさも格別ですよね~

2010/08/08 13:07

byさゆっぽさん ←シェフ貫田

よい豚肉がでてきましたので、食べられるようになると思います。
ブログではビール片手にフランクのイメージがあります。

エーデルワイスさんの製品、おいしいですよね。どれもいいものですが、
このベーコンを使うと料理がおいしくなりますよ。

2010/08/08 14:37

byharemi

豚肉は脂身が決めてですね。
美味しいも不味いも脂身でわかりますよね。
小さい頃は脂身が大嫌いでしたが
大人になって平気になりました。
ベーコン自分で作りたいと思う父ちゃん。
なかなか実行にならずです。

2010/08/08 17:16

by函館のバテ牛魔王

寝不足で少々バテ気味です。
ベーコンと言えば、オリーブオイルで
にんにくと炒め、湯むきしたトマトとえのきを合わせ
塩、コショウで味付けして
ホーレンソウを最後に加え
夏野菜パスタの出来上がり。
先週から自家製「桃太郎」が食べられるようになりました。
乾燥トマトの作り方教えてください。

2010/08/08 17:55

byモモンガ

恥ずかしながら、ベーコンは目玉焼きと焼くぐらいしか使う事がありません・・・
秋口は食のイベントが目白押しですね!
楽しいレポート記事、期待しています。

2010/08/08 23:05

byharemiさん ←シェフ貫田

そうです、特にベーコンは脂がよくないと価値が減ってしまいます。
ベーコンの料理を工夫すると、お父ちゃん、きっと、
つくってくれますよ!

2010/08/09 06:41

by函館のバテ牛魔王さん ←シェフ貫田

あれあれ、夏は寝不足が一番の不調の元になりますよ!
あれあれ、そのパスタ、私も昨日つくりました。ホウレン草はなかったですが、トマトは家庭用は湯むきしないでつくります。
乾燥トマトは、詳しく知りませんが、桃太郎は難しいと思います。ミニトマトでも乾燥機でつくるようです。

2010/08/09 06:47

byモモンガさん ←シェフ貫田

モモンガさんでしたら、どんどん使えますよ。自宅菜園の夏野菜と
よいベーコンは、とても相性がいいので、ぜひ、試してみてください。
秋は、各地のイベントやシェフの地域活動も多くなるので、
いろいろご紹介できると思います!

2010/08/09 06:55

byエビちゃん

ベーコン価格が高いのはやっぱり違いますよね。一般的な価格のベーコンは添加物が気になりながら、やっぱりそれを買ってしまいます。このベーコン、スーパーで売られるようにならないのかしら。

2010/08/14 12:58

byエビちゃん ←シェフ貫田

値段の高いものは、肉の味が違いますね。
我が家では、日頃、あまり購入しませんが、
ときどき、おいしいものを選んでいます。
この望来豚ベーコンは、予約分だけをつくる
特注品のようです!

2010/08/14 13:03

by一本松

いや〜〜、探していたベーコンです。
ぜに食べてみます。
すごい、リアルな取材記事に感動です。

2010/08/27 02:36

byシェフ貫田

一本松さんのコメントは、特にうれしいです。
望来豚のベーコンは、予約制ですが、ぜひ試してください!
これからも、おいしい食べ物の記事でがんばります。

2010/08/27 08:38




シェフ貫田

Profile

[ 名前 ]
シェフ貫田

[ 得意ジャンル ]
料理

[ 職業 ]
フードディレクター(元シェフ)

[ 自己紹介 ]
札幌市在住で1960年生まれ。大阪の調理師学校を卒業し、札幌市内のホテルなどで修業。32歳でホテル料理長となり14年間勤めた後、早期退職して2007年、ヌキタ・ロフィスドを設立しました。現在は、講演や食に関する指導・演出をするフードディレクターとして活動中!
2008年北海道洞爺湖サミットで、ロシア政府代表団の料理指導を担当。2015年イタリア・ミラノ万博「北海道の日」で食の総合監修、農林水産省「地産地消の仕事人」、北海道食育コーディネーターなども務めています。著書に「北の料理人」IとII(晶文社)。
特製「コロッケde北海道」シリーズは、コープさっぽろトドックやどさんこプラザで人気です。専門は、ご当地メニュー&特産品の開発指導、食と観光を活かした地域づくりの助言、食育講習などで、「防災・ご当地グルメ」も研究中!


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