シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典
北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記
- 2013/05/27[この記事のエリア] 函館・湯の川
- 函館・薬膳でお肌つるつる!?
みなさん、薬膳料理って
食べたことはありますか?
先日の函館旅行で夕食は
特別に頼んで函館国際ホテルが誇る
名料理長の中国・薬膳コース
を用意してもらいました。
調理を総括するホテルの
執行役員・総料理長が
木村史能(ふみよし)さん
(49歳、函館市出身)は中国料理出身です。
中華中医薬学会・国際薬膳調理師という
北海道に2人しかいない資格を
道内で初めて取得されています。
そんなすごい名料理人に頼まない手はないと、
今回、七飯町で有機農産物を栽培するついき農園の築城さん夫妻と
私夫婦の4名でじっくり薬膳料理を楽しみました。
*少し古い写真です。
その築城さん、2008年北海道洞爺湖サミットで、
私がロシア政府代表団の料理指導をした際に、
ニンジンと夏野菜を提供してくれ、政府高官に野菜料理が評判を呼びました。
では、
感動の函館・薬膳フルコースをはじめてゆきます。
感動の函館・薬膳フルコースをはじめてゆきます。
会場はホテル1階のアザレア、今回のメニューはこちらです。
ひと品ずつ説明します。
花入りジャスミン茶 ~茉莉金元宝
お湯を入れると千日紅とジャスミンの花が茶葉から現れます。
気分転換によい、花の入った高級茶です。
気分転換によい、花の入った高級茶です。
ポイント ジャスミン茶は、胃の調子を整えて脂肪を分解しやすくし、
ホルモン調整をしてくれるので女性にうってつけ。
*こちらは別料金です
前菜 五彩健冷盤
人参、蝦米、夏草花、クラゲ、ボタンエビの老酒漬、甘酢野菜、扒翅
人参、蝦米、夏草花、クラゲ、ボタンエビの老酒漬、甘酢野菜、扒翅
右から時計まわりに
ニンジンと夏草、ボタンエビの老酒漬、ピータン・豆腐、クラゲ、
真ん中が甘酢野菜です。
ニンジンと夏草(かそう・右側)
築城ニンジンをニンニク、干しエビ風味でいためたもの。
ニンジンのよさが引き出されて、築城さんともども、「もっと食べたい!」。
夏草は、わずかに朝鮮人参と干し貝柱の風味をもった、薬効が高そうな食材です。
夏草は、わずかに朝鮮人参と干し貝柱の風味をもった、薬効が高そうな食材です。
ポイント 免疫強化の生薬です
フカヒレのファツァイ入り煮込み 紅焼髪扒翅
*写真がピンボケですみません
*写真がピンボケですみません
それ自体には味がないので、よいスープが味を左右しますが、
高級食材のファッツアイ(髪菜)も入っています。
ポイント 青梗菜のビタミンCでコラーゲンの吸収率アップが期待できます
*青野菜は、色取りだけではないのですね。
Cを残すよう半生に調理されています。
ホタテ貝と長いもの塩炒め 蒜油炒扇貝
グリコーゲンの多さと大きさで噴火湾産と察しました。
元気のもと、タウリン豊富なホタテ貝と長イモ、ユリ根、クワイなどの糖質系野菜をいためています。
元気のもと、タウリン豊富なホタテ貝と長イモ、ユリ根、クワイなどの糖質系野菜をいためています。
ポイント 長イモは、半生にいためてでんぷん消化酵素を残していました
カニの松の実入りチリソース 乾菱茄蟹腿
ポイント 松の実でミネラル補給と美肌効果に期待します
牛筋と王様しいたけの醬油煮 香菇焼牛筋
ポイント 金針菜(ビタミンC)を添えて、ゼラチン質の吸収率を高めます
金針菜は、ユリ科植物の花のつぼみで、花粉が詰まっていて、血の巡りをよくします。
マスの野沢菜のせピリ辛蒸し 雪里花鱒魚
刻んだ野沢菜をのせたもの。
野沢菜の塩分で引き締め、黄花菜を添え、紅花を散らしたせん細なひと皿。
ポイント 紅花は、体を温めて血流をよくするので女性に特に効果的!
こうなご入りチャーハン 子魚炒飯
うす味で香り高い絶妙な塩加減でした。
臭みのない、ついき農園の平飼卵がたっぷり!
ポイント 体を温めたい時は、自家製ラー油をかけるとおいしいです。
ポイント 体を温めたい時は、自家製ラー油をかけるとおいしいです。
ホッキ貝とガゴメ昆布のスープ 海帯羹湯
貝と函館産ガゴメ昆布のぬるぬる感がとりこになります。
ポイント 貝のタウリンとガゴメの粘り成分で疲労回復にもよさそうです。
デザート~桜ゼリーのせ杏仁プリン、フルーツ
法式美点心
ポイント 白キクラゲは、不良長寿の妙薬とされ、特に白いキクラゲは
肌をうるおす作用が強いといわれます。
クコの実は、目の疲れを取り、血に滋養を与えるといわれます。
今回の料理は、女性が2名ということで、
コラーゲンを活用したコースに仕立ててくれました。
また、私たちが遠くからきているので、旅疲れをとるような、
血の巡りをよくすることを意識してくださったようです。
というように、見慣れた食材も
その持っている効力を見極めて、
副材や生薬との組み合わせで
体を温めたり冷やしたり調整する
という絶妙な料理になるのです。
薬膳料理
というのは、
病気の予防などを目的として
漢方薬の材料を使い、
伝統的な中国医学に基づいて
調理された料理のことをいいます。
枸杞(クコ)や杏仁などの薬膳食材(生薬)を
使っただけでは
「薬膳料理」とは呼べないのです。
函館国際ホテルのランチには
薬膳メニューがありますが、夕食では必ず予約してご利用ください。
宿泊プランには薬膳料理がありませんので
予約時に相談してみてください。
宿のことは、こちらを参考にしてください。
2013/05/27 19:33函館・湯の川コメント(4)
ついき農園の息子です。
父と母がお世話になりました。
味にうるさい父と母でも、とても美味しかったし、体も温まってすごく良かったと言っていました。
次の日もなんだか体の調子がいいと言っていました。
やっぱり食べ物の力って凄いですね。
今度は家族みんなで薬膳料理を食べに行きたいです。
2013/06/01 22:02
農家の息子さま
こんにちは、このたびはコメント、ありがとうございます。
ご両親は、素材のもち味=生(き)の味をご存知の方ですから、
外食するのはたいへんでしょうね。
今回、食の大切さを強く認識し直しました。
国際ホテル、ぜひ、ご利用ください。!(^o^)!
2013/06/02 07:56
木村総料理長が創作された お料理は身体にそして心に優しく美味しくて つい食べ過ぎてしまいます。しかし胃にやさしいのか?胃もたれをしたことがありません。毎日でも頂きたい秀逸さ。美しく繊細。まさに 絶品です。函館ならでの 食材が使われていていて函館観光大使?素晴らしいです。
2015/05/19 21:41
河合輝美さま
こんにちは、コメント、ありがとうございます!
木村シェフの料理は、胃もたれしませんね。あと味が重たくない中国料理には、なかなか出合えません。函館周辺の食材がうまく活かされていて、ほんとうに函館観光&健康大使のようです。北海道を代表する、道南の「お宝シェフ」です!!
2015/05/20 08:55