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千石涼太郎の「道人紀行」

人生は長い旅。旅の途中で出会った人、風景、食について感じたままに語ります。



2013/04/03
湯布院、鉄輪温泉で温泉街の魅力を想う

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 九州の旅も終盤に近づき、柳川から一路、別府へ。
 途中で、湯布院に寄って花野で蕎麦を食す。
 北海道と違って道が狭い。中国地方や紀伊半島でも感じていたことだが、
 古くから栄えていた町の道は車のためのものではなく、人が歩く道なのだ。

 風情があっていいけれど、ところどころに無料駐車場を作っていただけないものか?と想う。

 

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 生粉(十割)のざるそば。それなりの値段がするけれど、本山葵に、つゆが二種類。
 お主、できるな? と想う。(笑)
 香りよし、旨味もあり、九州でこんな蕎麦に出合えるとは感激であった。



 

 

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 湯布院郊外(実は昔の中心地)にある旧日野病院。
 何代も続いた病院なのだが、女医さんが画家と結婚して産婦人科を開いたおしゃれば建物。
 外観は洋風だけれど、内観はほとんどが和である。

 湯布院の町は人でごった返しているけれど、ここは誰もいない・・・。
 管理人さんがつきっきりで案内してくれた。
 好感度ばっちりのご老体であった。

 写真右は薬を煎じた部屋。右は薬箱とその上に、時刻表。
 

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 軽井沢のような雰囲気になった湯布院の街。
 集客が多く、たくさんのお金が落ちて、潤っているのだろう。
 上手な商売である。

 ただ、残念なことに、こういう人がごった返している場所にはもう興味がないのであった。 

 それにしても、湯布院まできて、国の重要文化財である旧日野病院に寄らないというのは、
 湯布院の客層はどないなってんねん?と思う。

 

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 泊まってみたい!と想った亀の井別荘……でも、そんな贅沢はできないので、
 せめてcaféでも、というわけで、茶房・天井桟敷へ。
 なにやら、いい感じ!

 旧日野病院と違い、亀の井別荘敷地内の土産物屋などは、人で溢れていた。
 アジアからのお客様を含めて・・・。
 

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 軽井沢化した街とは別世界。
 そうだ、軽井沢だって別荘地に入れば駅前の原宿のような世界とは違いか。

 本当にいい場所は、ごちゃごちゃした繁華街の外にある大人の空間なのだ。
 なんてことを思いながら、私は湯布院をあとにして、
 別府に向かった。

 

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 運転は人任せなので、まずは回転寿司で一杯飲みながら、関サバ!
 料理屋で食べたら、すぐにちょっと刺し身を食べて3000円とられるのがわかっているので、
 調べに調べて回転寿司にしたのだ。(笑)

 

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 ここでサーモンなんか食うなよ!と釘をさし、
 太刀魚、関サバ、サワラ、サザエ、キビナゴ、コウイカなどつまんでいく。

 大分では、刺し身の切れっぱしをショウガ醤油でヅケにしたものを「りゅうきゅう」と呼ぶのだが、
 ヅケというわけではないが、軍艦であったので注文。
 切れっぱしだけに当たり外れがあるようだが、カンパチやヒラマサが多いようで、
 これまた旨いのであった。
 

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 お腹を満たして、宿へ。
 民宿のような温泉旅館・みゆき屋へ。
 

 前夜、藩主の館に泊まっただけに、そのギャップは大きかった。
 最後の宿を豪華にするのが、ツアーの常識。
 だが、私にはそんな常識は通用しない。
 いや、私だけではない。最後の宿ほど、温かい雰囲気に触れたいのが人間なのだ。

 隣で骨董屋をやっているご主人とはお会いしなかったけれど、
 穏やかな女将さんの笑顔がとって印象的な宿だった。

 

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 車を停めて、鉄輪温泉の街を歩く。
 別府温泉はいくつかの温泉街に別れていて、
 そのなかでも鉄輪温泉は風情がある。
 寅さんも歩いた温泉街なのだ。

 写真を見てわかるだろうか?
 道路の真ん中から湯気がでている。
 こういう道がいくつもある。
 温泉に来た! という実感がたまらない!

 

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 ヤングは入らないだろうヤング館。(笑)
 こういう建物が、温泉街にあるのもいい。
 伊香保や修禅寺のような温泉街もいいし、こういう温泉街もいい。
 北海道にも・・・と強く願いのであった。

 

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 海産物や野菜を温泉の蒸気で蒸し、「地獄蒸し」が鉄輪温泉の名物。
 お金を払ってやらせてもらうところもあれば、
 旅館で自由にどうぞ!というところもある。
 温泉街の鮮魚店にはセットも売られているので、観光客たちはこぞって、
 地獄蒸しを楽しむ。

 路地を歩いていると、旅館の裏手に釜があったり・・・これがまたたまらん!のだ。

 

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 私は食べ物ではなく、自分の足を蒸すことにした。(笑)
 いやあ、なんというか・・・ジーンズなんか履いていたらダメだわ。
 汗びっしょり!
 
 とはいえ、足の疲れがとれる・・・ような気がするのであった。

 

 

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 みゆき屋の露天風呂。ナトリウム塩化物泉の源泉かけながし。
 源泉が熱いので、自分で湯もみをして入った。
 夜と朝で、二種類の貸し切り露天風呂が楽しめたてご機嫌。
 貸し切りとは思えない広さなのだ!


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 ご主人が退職後に免許をとって骨董屋をやっているので、宿のなかにもあれこれ飾ってあるのだが、
 いいなあと思った古伊万里の蕎麦猪口は非売品なんだそうで。
 コレクターが商売を始めるとこういことになり・・・女将さんはどう想っているのでしょうか〜!?(笑)
 まあ、男ってそんなものなので、温かく見ているのでしょう。
 九州の女性ですから。

 

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 旅も終わり、最後に看板犬をめんこめんこして、したっけ!

 九州は奥の深いところだと知っていたけれど、やっぱり・・・・・うーん、北海道も負けないのだ。
 いつか、自然と食だけでなく、風情や人情、伝統や文化に触れて感動したと言わせてみたい。

 そう思いながら、機上の人になったわけですが、
 大分からの直行便は少ないので、また羽田乗り換え。
 なかなか疲れる空の旅であった。

2013/04/03 08:58



千石涼太郎

Profile

[ 名前 ]
千石涼太郎

[ 得意ジャンル ]
旅行

[ 職業 ]
作家・エッセイスト

[ 自己紹介 ]
児童書の編集、アウトドア雑誌の編集長等を経て、地方文化や県民性を盛り込んだ紀行文やエッセイ等の執筆活動へ。人生相談や自己啓発、地域振興や教育の分野での活動にも邁進中。いまの悩みは4年前に愛する故郷・北海道にUターンしたことで「北海道に帰る楽しみ」がなくなったこと。小樽ふれあい観光大使のほか、最近はジンギスカン博士としても各地域で活躍中。「やっぱり北海道だべさ!!リターンズ」など著書多数。
執筆、講演のご依頼は、こちらからお願いします。


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