千石涼太郎の「道人紀行」
人生は長い旅。旅の途中で出会った人、風景、食について感じたままに語ります。
- 2012/12/05[この記事のエリア] 札幌
- 北の選 すし処縁満
昨夜は、12月7日にオープンする「すし処 縁満」のオープニングレセプションに足を運んだ。
この店は、石臼挽き自家製粉の手打ち蕎麦店・北の選 笹庵の姉妹店。
期待が膨らむのはいうまでもない。
一枚板の美しい付け台(洋風にいうところのカウンター)。
ネタケースもなかなか渋い。
笑顔が絶えない大将に、ういういしい男女の従業員たち。
いぶし銀のオヤジも魅力的だけれど、ススキノには、こういう若々しい職人が似合うように思える。
お通しの次に出てきたのは、鯛の刺身と塩麹漬け。
最初に皮と身の間の旨味が噛むほどに染み出してくる。
まず、白身からくるのがうれしい。
鮮度がよく、肉厚なホタテと、ヒラメにウニ巻き。
オーナーが流氷の街の出身だけあって、いいホタテを仕入れているのだ。
北海道の生寿司らしいネタに加え、アナゴとチーズを巻いた変化球もあり、
若者らしい工夫も見えた。
いいマグロの赤身だったので、「もう少し、厚く切ったほうがいいですよ!」と、一言。
マグロを好む江戸では、マグロぶつ、まぐろのやまかけは定番メニュー。
そこには、厚切りが旨いという理由がちゃんとあるからなのだ。
大将が握る手元を見ると、きちっちりとした手返し。
シャリのかたさも私好みだった。
若いけれど、かなり握ってきたのだろう。
今回のレセプションには、O.toneの平野編集長や、ぐうたびの村澤編集長、フードコーディネーターの金子由美さんにも
参加していただき、率直な意見をいただいた。
「青海苔の味噌汁は、ちょっとしょっぱい。でも、とっての美味しい!」
「北海道の人間は、甘い茶碗蒸しに慣れているから、もう少し甘めがいいかも」
というわけで、オープンには、彼女たちの意見が反映されていることだろう。
縁満は、ネタもいいが、シャリが旨い。
赤酢と酢をブレンドし、醤油を隠し味につかったシャリは、ネタをのせずに食べても旨い。
成長を見守っていきたい店である。
大将、ご馳走様でした!
2012/12/05 10:49札幌