千石涼太郎の「道人紀行」
人生は長い旅。旅の途中で出会った人、風景、食について感じたままに語ります。
- 2016/03/15[この記事のエリア] 札幌
- 急行はまなす廃止とJR北海道
札幌と青森を結んでいた急行「はまなす」が、21日深夜出発を最後に廃止される。
これで、日本における定期急行列車は完全に消滅。なんとも寂しい限りだ。
急行がないのに、特別急行がある……という不思議な状況に、「なんかおかしくない?」と誰もいわないのも不思議なのだが、北海道において、急行を含む長距離列車が圧倒的に少ないことに、わたしはとても不満なのだ。
JR北海道には、ぜひ長距離路線を走る快速列車を増やしてほしい!と思う。
いまやカニ族は絶滅危惧種となり、ライダーも激減。
東京の若者はクルマを運転しないことが統計でも明らかで、レンタカーで北海道を回る人の割合も減り続けていくだろう。そうなると、観光はピンポイントで交通の要所だけが栄え、地方が衰退する。
地方としても問題だけれど、北海道の本当の魅力は、実は交通の要所から遠い、自然のなかであったりもするわけで、北海道の魅力を知らぬまま帰ってしまうことにつながり、北海道全体のデメリットとなる。
ここ二十年ほど、旅人を見てきたが、北海道を何度もリピートしてくれている旅人は、若いころから北海道を回った人たちだ。こういう人を随時増やしていかなくては、観光はジリ貧になるばかり。インバウンド頼みの情けない大地になりかねない。
急行廃止という残念な事態にがっかりしているのだが、ここを見直しの機会ととらえ、JR北海道には、「観光に使いやすい快速」を長距離路線に増便し、北海道新幹線とパックで買うと安くなる「北海道限定青春18きっぷ」的なものを発売していただけないものだろうか。
快速エアポートのような指定席だけは追加料金という乗車券だけで乗れてしかも早い快速。
それでいて函館から札幌まで走るとか、札幌から網走まで、あるいは釧路まで・・・・そんな快速列車が増えて、定額で乗れたら……と。
2016/03/15 10:50札幌