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千石涼太郎の「道人紀行」

人生は長い旅。旅の途中で出会った人、風景、食について感じたままに語ります。



2015/03/30
九州に学ぶ旅 その5

 


 杖立温泉から、そば街道を経由し、今回最大の楽しみである黒川温泉に向かった。
 ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、温泉地としては異例の二つ星で掲載された温泉地であり、
 狭い路地にこじんまりとした建物が建ち並び、茶屋や甘味処など、いい雰囲気の店が点在しているのも魅力。
 
 黒川温泉といえば、黒川温泉の父と呼ばれる後藤哲也さん(観光カリスマ)経営の新明館が有名で、
 自身が掘った洞窟風呂が人気を呼んでいるわけだが、黒川温泉一の歴史を持つ(創業享保七年)、
 我々取材班は御客屋にチェックイン。
 
 入湯手形1300円を購入し、街を歩く。
 
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 新明館には橋を渡ってアプローチ。
 柵の隙間から顔をだせば川も対岸も見えるが、そうすると自分も見られてしまうのだ。ww
 とはいえ、川沿いの露天風呂は気持がいい!

 それにしても、洞窟のような穴風呂・・・これを掘るには大変な苦労があったに違いない。
 ノミ一本で掘ったとは、根性というか執念すら感じるではないか。
 
 

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 上記が入湯手形。1300円で3ヶ所入れる。
 もう一ヶ所くらい入れると有り難いところだが、手形が切り株というアイディアは素晴らしい。
 加工にただいな手間がかからず、焼き印を入れると造形的にも色合いもいい。
 スタンプラリー的な手形を出している温泉郷もあるが、写真をアルバムに貼る時代が終わりつつあるいま、
 こういう記念品にもなるようなものが求められているのかもしれない。

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 ふもと旅館へも湯めぐり。
 ここは宿泊者のみが貸し切れる温泉がいいのだが、入湯手形で入れる寝湯がある露天風呂もいい。
 一緒になった泊まり客のご老人と、ふたりであれこれ話をしながら、湯に浸かる。
 若いころ琴似に住んだことがある・・・というご老人は、あちこちにガンが転移しているらしい。
 温泉の力で少しでも長生きしていただきたい。


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 ふもと旅館の入り口には、顔湯という熱湯からの蒸気を顔にあてる不思議な美顔蒸し風呂(?)がある。 
 白人女性が楽しそうにチャレンジしていたので、わたくしも真似をする。ww 
 深く入れたほうがいいのかな?と思い、大きな顔を埋めると、熱湯のしぶきが飛んできた! 
 聞いてないよ〜〜!ww

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 湯めぐりの途中で、白玉だんごをいただく。 
 黒ゴマ味がいい香り。
 ビールが飲みたいけれど、夕食まで我慢なのだ。


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 御客屋の夜。
 まだ明るい時間に温泉を楽しみ夕食タイム。
 部屋食ではないけれど、個室での食事だ。
 

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 地鶏に赤牛の陶板焼き、馬刺しにベニマスの刺し身(紅鮭のことらしい)。 
 生麩の田楽や辛子蓮根がうまい! 
 
 個室には電話がついていて、呼べばすぐにスタッフが表れる。 
 厨房が近くにあるので、温かいものが温かいうちに運ばれるわけだが、このキャスターつきトレー、
 個室にスムーズに入れる大きさで廊下を遮断しない。 
 なかなか考えられたハードである。
  
 御客屋は、わたしがいままで経験したなかで、最上級といえる社員教育がなされているに違いない。
 チェックインのために車を停めたら女将もスタッフも外まで出てきての歓迎。
 笑顔をたやさず、荷物もしっかり運んでくれて、説明も丁寧でありながら、お節介な感じがしない距離感。
 札幌からの客であることがわかると、話を合わせ‥…笑顔を見せる若い男性スタッフ。

 建物が古いため、部屋の洗面台でお湯が出てこない。
 そのデメリットを軽減するために、ぬるま湯が入ったポットまで用意。
 素晴らしい! 
 

 研修中の女性にしても、フロントの男性にしても・・・・誰一人として感じのよくない人はいなかった。
 老舗といわれる旅館や人気がでた施設は、その地位にあぐらをかいてしまうことがあるけれど、
 御客屋はそういう感じがまったくなく、ホスピタリティを感じる宿であった。


R0026938.JPGのサムネール画像 IMG_1982.JPGのサムネール画像

 御客屋の朝食は、夕食と同じ個室。
 朝から、馬肉のユッケが出てくることろが熊本らしい。
 このユッケと納豆をあわせて桜納豆にするのが、これまた熊本なのだ。
 ご飯が進むくん!である。ww

 

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 というわけで、しおじ、みゆき屋に続き、御客屋でもツーショット。
 やたらと一緒に写真を撮りたがる人間だけには成りたくないのだが、
 いい宿の女将のみ・・・ということで。w

 旅は最終目的地である臼杵に戻る。 
 まだつづく。

2015/03/30 08:21



千石涼太郎

Profile

[ 名前 ]
千石涼太郎

[ 得意ジャンル ]
旅行

[ 職業 ]
作家・エッセイスト

[ 自己紹介 ]
児童書の編集、アウトドア雑誌の編集長等を経て、地方文化や県民性を盛り込んだ紀行文やエッセイ等の執筆活動へ。人生相談や自己啓発、地域振興や教育の分野での活動にも邁進中。いまの悩みは4年前に愛する故郷・北海道にUターンしたことで「北海道に帰る楽しみ」がなくなったこと。小樽ふれあい観光大使のほか、最近はジンギスカン博士としても各地域で活躍中。「やっぱり北海道だべさ!!リターンズ」など著書多数。
執筆、講演のご依頼は、こちらからお願いします。


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