千石涼太郎の「道人紀行」
人生は長い旅。旅の途中で出会った人、風景、食について感じたままに語ります。
- 2014/10/06
- マッサンの故郷=広島県竹原市を訪ねた日
竹鶴とリタの夢 余市とニッカウヰスキー創業物語の下書きを終えた私は、
今年の五月、調べ上げたネタをぎっしりと頭のなかに詰め込み、竹原を訪ねた。
竹鶴さんが生まれた生家(本家)に伺って話を聞かせていただいたり、
中を見せていただいたり・・・
少々時代に彼が遊んでいただろう場所を歩いた。
何度となく連絡をして、いろいろ教えていただいた竹原の竹原書院図書館。
うかがってお礼をいうと同時に、さらなる資料を拝見させていただいた。
この川が竹鶴さんの著書にも、竹鶴さんのことを書いている本にも登場する竹鶴家と旧竹原小学校の間にある川。
しかし、彼らが書いているような成井川(加茂川)ではなく、この川は本川であった。
わたしがこの本を80周年に合わせて出そうとして、昨年から準備をし、
1月から執筆していたにも関わらず、発売が遅くなったのは、
大人の事情もあるけれど、実は竹鶴さんの幼少期のことを調べているときから、
自伝と思われていたものまで間違っていた・・・ことで、
右往左往した結果でもある。
人の記憶というのは、容赦なく書き換えられる。
よってなにが真実かを見極めるのはとても難しい。
だからわたしはこの物語を伝記ではなく、
彼の足跡を追う一種のドキュメンタリーに仕上げることにしたのだった。
竹原の街はとても美しく、古風で少しの間でいいから、
住んでみたくなる街だった。
でも、そんな街を飛び出したくなった竹鶴さんの気持ちも、理解できなくもないと思いながら街を歩いた。
2014/10/06 16:47