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千石涼太郎の「道人紀行」

人生は長い旅。旅の途中で出会った人、風景、食について感じたままに語ります。



2013/03/26
軍艦島で魂のガイドに会う

R0019135.JPGのサムネール画像


 ずっと前から行きたかった島。
 端島に、ついに行くことになった。

 この姿、軍艦「土佐」に似ていることから、軍艦島と呼ばれている。

 海底炭田、つまり石炭を掘るために開発された島は、国のエネルギー政策の変換によって、
 過去の遺物とかしたのだ。

 

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 facebookで知り合った、NPO法人軍艦島を世界遺産にする会理事長の坂本道徳さんが、
 今回乗る船のガイド役をつとめてくださった。 

 

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 途中までは船のガイドさんが、長崎港やドックの説明。
 世界一のクレーンや武蔵を作ったドック……等々、長崎は軍艦島同様、三菱の街なのだなあと思う。

 

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 軍艦島が近づくと、坂本さんのガイドがはじまった。
 興奮を隠せないわたし。

 一部、船酔いに苦しむ人間もいたけれど‥…。

 

 

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 上陸後、坂本さんの「魂のガイド」がはじまる。
 いままで多くの「ガイド」を見てきたけれど、ここまで真摯にガイドしている人に出会ったことがない。
 
 石炭のこと、軍艦島のこと、エネルギーのこと、しっかりと学び、
 故郷である軍艦島への愛を込め、日本を憂い、未来までも語った。

 涙腺が緩むくらいの感動を覚えるとともに、
 私がやるべきことのヒントをいただきた気がした。

 

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 観光客は、この軍艦島を見て、ただ「廃虚」と思うかもしれない。
 しかし、ここを故郷として大切に思っている人がいる。
 それは福島も同じこと。

 そして、今後も原発を含む大事故や戦争によって、故郷を失う人がいるとしたら……。

 
 私は5年前、故郷に帰ってきた。
 帰る家も、墓も、家族もなにもなくなっていたけれど、それでも帰る場所はあった。

 しかし、軍艦島で暮らした人たちには、それすら許されない。
 福島第一原発の近くにいたっては、近づくことも許されないのだ。


 
 このブログを読んでいる皆様へ
 軍艦島に行って、坂本さんの話を聞いてください。軍艦島を見て彼の魂のガイドを聞いて、北海道の炭坑、北海道のエネルギー、国の未来を一緒に考えましょう。
 
 

2013/03/26 12:59コメント(2)


コメント一覧

byREIKO

千石さん、はじめまして。
道東ぐうブロガーのREIKOと申します。

軍艦島は以前から興味がありました。
私の父は鴻之舞出身で、今はわずかな廃墟が残るのみ。
軍艦島へ行き、坂本さんのお話を伺いたいと思いました。

2013/03/28 10:08

by千石涼太郎

REIKOさん コメントありがとうございます。
仕事と人々の営みがあった場所が廃れていくのは、悲しいことですね。
しかもそれが、自分たちの意思ではなく、事故や国策という外因によって・・・・となれば。

私は北海道の自然の素晴らしさや食の豊かさ、人々の温かさを紹介する本を描いてきましたが、ここ数年、歴史や文化、忘れてはいけないことやものについて描いていきたいと思うようになりました。そして、軍艦島に行って、さらにその思いを強くしています。

ぜひ、軍艦島に行ってみてください!

2013/03/28 13:22




千石涼太郎

Profile

[ 名前 ]
千石涼太郎

[ 得意ジャンル ]
旅行

[ 職業 ]
作家・エッセイスト

[ 自己紹介 ]
児童書の編集、アウトドア雑誌の編集長等を経て、地方文化や県民性を盛り込んだ紀行文やエッセイ等の執筆活動へ。人生相談や自己啓発、地域振興や教育の分野での活動にも邁進中。いまの悩みは4年前に愛する故郷・北海道にUターンしたことで「北海道に帰る楽しみ」がなくなったこと。小樽ふれあい観光大使のほか、最近はジンギスカン博士としても各地域で活躍中。「やっぱり北海道だべさ!!リターンズ」など著書多数。
執筆、講演のご依頼は、こちらからお願いします。


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