シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典
北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記
- 2015/04/11[この記事のエリア] 釧路・阿寒・川湯・屈斜路・根室
- 根室の天然アサリ
根室ワンチューあさりと土付きニンジンのパスタ
今月の食材は、根室産のアサリです。
根室湾中漁協から直送してもらいました。
湾中漁協は、正式の名前が「根室湾中部漁業協同組合」で、
地元では「ワンチュー(漁協)」と呼ばれて親しまれています。
アサリが獲れるのは、温根沼などの干潟で
漁場の一部はラムサール条約の指定湿地にもなっています。
ワンチューアサリは、
自然の汽水湖にすむ天然の貝で、ぜんぶ手掘りします。
その際の気温は、温かい日で4~5℃、
寒いとマイナス2℃で獲ることもあります。
漁獲は、男女の漁師が行いますが、
やっぱり、お母さんたちがたくさん獲るそうです。
*直売所かおっと担当の「やっちさん」に伺いました!
*ワンチュー漁協直売店のHPはコチラ
*以前掲載したシェフのブログはコチラ
1kgに35個入りの特大サイズ
このサイズだと、8年ものだそうです。
調理の手順は、こんな感じです。
1.アサリの砂出し
2.アサリを蒸し煮する
3.パスタを加えて味つけ
大事な作業がこちら
アサリの砂出し
A.よく洗う
貝に藻や貝の粘液が付いていることがあるので、
貝同士をこすって洗い、よごれを落とします。
B.砂出し
平たい容器に網を敷く
*ボウルとざるでもいいですが、
アサリが重なると二重汚染につながります
洗ったアサリと海水程度の塩水を入れる
*塩分は、アサリがすんでいた
海水の塩分に近いと砂出しが早くできます
*1.5~3%、4㍑の水に粗塩が60~120gを入れます
アルミ箔などをのせておく
*冷暗所に2~3時間おきます。暗いとすぐ砂を出します
*次の日以降に調理する時は、冷蔵庫に入れてもよい
ワンチューあさりは、砂出ししてから出荷されますが、
上記を行うとより、おいしく食べられます。
アサリが快適だと給水管をベロンと出します
*器材の都合でアサリが重なって、すみません。m(__)m
簡単な砂出し
近年ブームになった「50℃洗い」での砂出しです。
50℃のお湯にアサリを5分以上入れる。
*42~43℃以下にならないように差し湯をして
砂や粘液を短時間で出して生臭みがとれる
*ざるで水を切って調理する
*ワンチューあさりは、50℃洗いは不要です
アサリの開け方
煮汁で洗って砂を除きます。
流れは、こんな感じです。
1.アサリをソテーしてワインで蒸す
2.殻が開いたら身をはずし、煮汁で洗う
3.身に塩を振り、煮汁は漉してとっておく
詳しい手順です。
1.アサリをいためる。
鍋にニンニクの薄切りとオリーブ油を入れて
中~強火でいためる。
香りが出たら、貝を入れて強火でいためる。
ワイン蒸し
鍋が熱くなったら白ワインを注ぎ、
ふたをして数分、ワイン蒸しにする。
2.ざるにあける
殻が開いたら順に取り出してざるに移し、
全部空いたら煮汁ごとざるにあける
煮汁で洗う
殻から身を外してボウルで洗う。
煮汁は、ざると不織布で漉して、
ボウルごと流水で粗熱をとって身に注ぐ。
ていねいに洗って別の容器に移し、
煮汁は漉して2度洗いして、
身は、容器に並べて塩を振り、
煮汁は、パスタ用にとっておく。
*煮汁に残った砂や殻など
パスタのつくり方
根室ワンチューあさりと土付きニンジンのパスタ
(白仕立て)
イタリア語では
Spaghetti alle vongole e carota biance
読み方は、
スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ・
エ・カロータ・ビアンケ
材料
アサリ、ワイン蒸し
ニンジン、千切り
その他
工程
1.アサリは、上記のようにワイン蒸しして
塩をふっておく。
2.ニンジンは、太めの千切りにして
オリーブ油でいためて、塩を振る。
3.1%の塩を加えてゆで上げたパスタは、
ニンジンをいためたフライパンに入れて
煮汁とパスタのゆで汁を注いで煮立てる。
アサリの身を加えて、塩・コショウで味を調え、
火を止めてエキストラ・バージン・オリーブ油をかけ、
急いでかき混ぜて乳化させる。
温めた器に盛りつけて、ハーブを飾る。
春先、道東のアサリは、
どこの産地もおいしいですが、
ひと手間かけて頂くと、格別の味わいがあります。
アサリに含まれる鉄分や亜鉛で
冬の疲れがとれるかもしれませんよ。
ぜひ、産地のみなさんもお試しください。
2015/04/11 16:32釧路・阿寒・川湯・屈斜路・根室