ぐうたびTOP > ぐうブログ > スペシャルBLOG シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典 > 農業賞、今年のLAST審査で道東へ!


シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典

北海道のおいしい食べものや熱心な生産者を紹介する旅日記



2010/09/09[この記事のエリア] 釧路・阿寒・川湯・屈斜路・根室
農業賞、今年のLAST審査で道東へ!
 ~合計900キロを越えた最後の審査~
 
コープさっぽろ農業賞は、
今年最後の審査で北海道東部を訪ねました。happy01
今回も遠いし、朝早いしでたいへんな現地審査となりました。despair 
 
RIMG3598 - コピー.JPG
 
まず、行程はこんな流れです。
 
〇札幌train→新千歳空港airplane→中標津空港bus
  →別海町(昼食restaurant)→別海町・西春別で審査→根室(宿泊)
 
根室で審査→(別海)→(弟子屈)→美幌峠(昼食)→大空町で審査
  →女満別空港airplane→新千歳APtrain→札幌
 
空路で550キロほど、
陸路で420キロと、合計970キロほどの「しんどい」旅となりました。shockshockshock
 
さて、行った順番にお知らせします。
 
札幌からJRなどで集合場所の新千歳空港に向かいます。
中標津行きでは、丘珠のときより広くなったプロペラ機に乗り込みます。
何度もごいっしょした審査委員のみなさんなので、ちょっとした旅行の気分です。
中標津からは、バスbusで別海町西春別方面へ。
途中、別海市街で昼食となりました。restaurant
 
メニューは、ご存知、新・ご当地グルメ
別海ジャンボホタテバーガー
 
RIMG3531別海バーガー.JPG
2カ月ほど前、ご当地グルメのコンテストで1位となり、
さらに人気の出たメニューです。
牛乳はいつもより小さいジョッキですが、
説明通りに自分でつくる巨大ホタテ貝のバーガーは、
審査員一同楽しませてもらいました。happy01
 
1カ所目は、別海町の㈲別海町酪農研修牧場taurus
15haある農地で350頭の乳牛を育て、担い手育成と新規就農を目ざす
研修を行なっています。
牧場長の谷野利一さんは、平成10年から今年までに、45組89名、
多くはカップルの新規就農者を育ててきたと話します。
ここでは、環境に配慮して国産と自給した飼料を与えています。
集められた生乳は、町内で加工され、べっかい牛乳やアイスクリームへと
変身しているのです。
 
RIMG3554別海.JPG 
まちで自慢のアイスクリームを手にする牧場長の谷野さん
RIMG3558別海3人.JPG
新規就農者の奥さんたちとごいっしょする谷野さん
 
話しはかわりますが、畜産農家の訪問は、今年はたいへんでした。
伝染病などにも最新の注意を払ったのです。
家を出る前に靴底を洗って消毒し、現地で長靴に履き替え、
消毒するかカバーを付けて、近くまで行くか牧場付近を訪問しました。
 
別海町から根室市に向かいます。途中、根室市の道の駅で休憩し、
夕方、根室に到着しました。
夕食 は、市内の和食店で地元産魚介の料理です。 
きつい審査ですが、
一人に1パイずつハナサキガニ がついていて、びっくり。 
 
RIMG3568根室夕食.JPG
 
ほかには、サンマの刺し身、ホヤの酢の物、根室さんまロール寿司など。
私はカニむきが得意なので、9人分のカニを食べやすいようにさばいて
食べてもらいました。cancercancercancer
ゆで加減が頃合いで塩分もうすくて、とてもおいしいハナサキガニでした。
 
根室市で1泊してバスで移動。
朝6:45にホテルを出発し、
眠い目をこすって朝食抜きの強行審査の始まりです。
行った先は、
根室湾中部漁業協同組合の女性部
集合場所では、漁協や女性部の方が手を振って歓迎してくれます。(@^^)/
すぐ、移動してホッキ貝の漁獲場所へ。
ふつうの人は入れない春国岱の奥にある漁場に到着しました。
ところが、台風が過ぎた直後で波が高く、干潟での漁はできないので、
近場の浅海で貝を掘ってもらいます。
  がさがさやると、すぐ20個ほどとれました。  
 
RIMG3592ホッキ漁.JPG
 ホッキ漁を実演する女性部長の酒井さん 
RIMG3597審査の西さん.JPG
 審査で頭を悩ます、北海道ぎょれん副会長の西英一さん(中央) 
 
その後、会館に移動して説明を聞くと、みなさんが加工した製品で
朝ご飯 を用意してくれました。 restaurant
これも審査の対象かな?と一瞬だけ思案しましたが、
すぐにアサリフライ に箸を向けていました。 
ホッキご飯 のほか、おかずは、大チカのフライ、ホッキ汁などなど、 
温かみのある浜の母さん料理をごちそうになりました。
RIMG3619朝ご飯.JPG
 空腹時、涙が出そうにおいしかった手づくり朝食
 
湾中漁協は、以前、水揚げ高が減少してしまい、
苦心しながら自力で建て直しを計り、今では前浜産の魚介類を自ら加工して販売する、
北海道でも熱心な漁協へと育ってきました。
ラムサール条約指定の地域もあるので、環境に配慮した漁業を続けたいと
組合女性部の酒井昌子さんは笑っています。
RIMG3628湾中専務と - コピー.JPG
写真は、根室湾中漁協・専務の神内さん(右)と
女性部長・酒井昌子さん(左)、シェフといっしょに。
 
次は大空町の旧・女満別町に向かいます。
途中、美幌峠で休憩し、展望台に上って屈斜路湖を望みます。
2日間の疲れも出てきて、写真撮影のときにも眠気と疲労がとれない人も。
それでも、この後に行く審査が最後なので、きりっと脳みそを切り替えます。
 
 RIMG3641美幌峠.JPG
写真は美幌峠にて、右から、疲れの見える北海道新聞社の工藤哲靖さん。
ベジカフェ・まーくるの吉川(きっかわ)雅子さんと
フリーアナウンサーの宇都宮庸子さん。以上の審査委員と
左は、コープさっぽろ組合員活動部部長・小関篤さんです。
 
最後の訪問は、大空町の
大地のMEGUMIという法人です。
5軒の農家が集まり有機や特別栽培の農産物を出荷し、
町内へ委託製造した加工品を販売しています。
 
RIMG3651女満別.JPG
 写真はグループのお仲間 
 
有機JASを道内で一番早く取得して、
土づくりは、野菜の残さや網走湖の水草をたい肥に混ぜた、
地域の有機物を活用しています。
文科省の事業により畑で食育授業をしたり、町内の建設業者が総出で
カボチャを体験栽培したり、交流の場面もおおいようです。
 
RIMG3646応援団.JPG
応援に駆けつけたコープさっぽろ北見地区組合員のみなさん
 
前回と今回は、距離も長く、途中で息切れ寸前になりました。
私はいつも楽しそうなことやおいしい食事のことばかり紹介してきたので、
多くの方からグルメツアーだと錯覚されました。sign02
 
しかし、この距離を移動して、冷静な気持ちで農業者の熱意を審査し、
一カ月間で審査委員、全員の意見をまとめなくてはいけないのです。
熱心な生産者だからこそ、順位をつけるのに頭が痛くなります。wobbly
 
公開準備が整いましたら、あらためて紹介して、受賞者をもう少し詳しく、
写真も多くお見せできると思います。ご期待下さい。shine
 
では、最後になりますが、end
細やかな準備を進めて頂いたコープさっぽろ農業賞・実行委員会、
事務局長の石坂裕幸さん、そして事務局のみなさま、
ほんとうにありがとうございます。happy01
 
ていねいにとじられた「審査メモ」は役に立ちました。
また、昼食や夕食など、限られた予算の中、食にわがままな私も満足した、
各地の地産地消メニューは、感動ものでした。up
 
苦しい行程でしたが、おいしい食事で終えることができました(!?)
最後まで、厳正な審査をいたしますので、よろしくお願いいたします。m(__)m
  

この記事のエリアの宿を探す・予約する

2010/09/09 22:38釧路・阿寒・川湯・屈斜路・根室コメント(22)


コメント一覧

byぱんぱかぱん

いつも読ませていただいています。ありがとうございます。みなさん、自然を大切にしているんですね。ブログを読みながら、北海道の事何にも知らないなって、いつも思います。別海の「ジャンボホタテバーガー」美味しそうです。ぜひ、食べてみたいと思いました。農業賞の結果が楽しみです。ご苦労さまでした。

2010/09/10 02:07

byカブタン

北海道じゅうをかけめぐりお疲れ様でした☆
すごいスケジュールのようでしたが、いつも生産者さんたちの笑顔や
パワーがブログを通じて、手にとるようにわかりました。
審査って大変ですよね。
ハードな行程よりも大変な作業が待っているんですね・・。
みんな優勝させて~♪

2010/09/10 06:49

by湾中漁協エース

先日は遠い所、有難う御座いました。
海は時化、ホッキ掘りを体験することが出来なかったですが、
機会があればいつでもお越し下さい。
本当にご苦労様でした。

2010/09/10 07:44

byみっち~desu!!

シェフ♪お疲れさまぁーm(__)m゛
農業賞審査視察終了しましたね。
他の審査員が疲れてそうにしているのに
シェフは何時もニコニコして元気ですネ~
(^.^)ご当地でしか食べられないご馳走
現地へ行って食べてみたいです!(^^)!
頑張っている生産者さん!ほんとに有り難い。
安全で安心な食材を提供してくれるのを感謝
して応援して行きたいです!!
最後の審査…頑張ってくださ~いヽ(^o^)丿゛

2010/09/10 09:15

by函館の牛魔王

ただただ、お疲れ様でした。
子供の頃、阿寒方面によくドライブをしました。
弟子屈近辺では、沿道で花咲きがにをドラム缶で
茹でて売っていました。いまでもあるのかな?
旨かったな~。40年以上前の話ですけど。

2010/09/10 09:37

byharemi

お疲れ様でした。
遠いからJRとプロペラ機?にも乗ったのですか?
聞いてるだけで腰が痛くなりそう。笑
しかも皆さん長袖着てて寒そう!
私がそそられた物はホッキご飯と
ホッキ汁かな。
(陸の人間は海の物に憧れます。)
なんか視察といえども
修学旅行みたいで楽しそうでしたね。
でも、審査された方たちは有名な方たちばかりで
色んな情報交換が出来たのではないでしょうか?

2010/09/10 11:04

byYT

審査お疲れ様でした。
食べて、食べて、また食べての審査でしたが、
どこも思い出、印象に残る素晴らしい生産者でした。
決して楽な現地審査じゃないんだということが、
審査員のみなさんの表情にでていて、
きっと伝わると思います。
みなさんのカニの殻をひたすら剥いていらっしゃったところや、別海研修牧場で先んじて後片付けをする貫田さんの姿、
素晴らしいなと思いました。
大変でしたが、とても楽しい現地審査でした。
どうもありがとうございました。

2010/09/10 12:22

byぱんぱかぱん様 ←シェフ貫田

日高地区で一番おいしいパンをおつくりのぱんぱかぱん様、
コメントありがとうございます。食べ物を大切にする方は
たいてい自然も大事にしているようです。カニやコンブを守るにも
海を汚さず川をきれいにゴミは分別しよう、とつながってきます。
別海のジャンボバーガー、楽しくておいしかったです。
新・ご当地グルメの登場は、日高こんぶカレーがきっかけだとも
思いますので、ぜひ、日高でも新しい名物メニューを期待します!

2010/09/10 13:02

byカブタン ←シェフ貫田

カブタン、先週はたいへんでしたね。
今年の農業賞も現地審査が終わり、ほっとひと息と思ったら、
順位を決めなくてはいけません。(泣)
みなさん、熱心ですから、全員1位にしたいです!

2010/09/10 13:06

by湾中漁協エースさん ←シェフ貫田

こちらこそ、お忙しいところ、
早朝から対応して頂き、ありがとうございました。
ホッキ漁は体験できませんでしたが、浜の母さん料理で充分に
胸がいっぱいになりました。さすがに、母ちゃんたちは、元気いいです!
トドックおせちに使う、ワンチューあさりもよろしくお願いします!

2010/09/10 13:10

byみっちーさま ←シェフ貫田

なんとか、現地審査を終えることができました。
きつかったけど、とてもよい勉強になりました。
生産者ががんばっていらっしゃるので、私も元気にしたいと思います。
◇おいしい食べ物は、ほんとうに生産者のおかげです。
 中でも有機や農薬を減らした農業者は、頭が下がる思いで
 いっぱいです。まだまだ、感謝が足りないと思いました。
◇来月の順位決めも白熱するでしょう!(^o^)/

2010/09/10 13:17

by函館の牛魔王さん ←シェフ貫田

ありがとうございます!無事に現地審査は終えることができました。
◇ハナサキガニは、減少しているので、今はあまり売ってないのでは。
 ハナサキは、資源保護が難しくて増やそうとしても
 簡単に増えないそうです。今回、貴重品なので感謝して頂きました。

2010/09/10 13:22

byharemiさん ←シェフ貫田

◇今のプロペラ機は、けっこう快適ですよ。(笑)
◇長袖は、台風崩れの翌日で風が強かったからです。
◇陸の人は海のものが好きですよね。ホッキ料理はおいしかったです。
◇そうです、修学旅行のような気分で出発します。
 審査委員のみなさんは、その道の達人のような方々なので、
 お話しを聞いていてもおもしろいです。でも私が牧場で草を
 食べるのは、笑われていますね。(笑)

2010/09/10 13:29

byY.Tさん ←シェフ貫田

長くて、きつくて、楽しい審査会でしたね。
普通の食事以外に、休憩地点でたいていおやつになるので、なお、食べている感じがありますね。
◇生産者が熱心なので、審査委員もきちんと見てあげないといけないですね。
◇カニむきは、得意なだけです。カニがでると、周囲に女性が集まってくるのです!?
 座ったとたんに、みなさんの顔が甘えていました。(笑)
 あと片付けも好きです。Y.Tさんも率先されて下さいね。
◇とても有意義な審査ですし、Y.Tさんとも知り合えてよかったです。これからもよろしくお願いします!(^o^)
 


2010/09/10 13:39

byモモンガ

やはり道東は飛行機視察ですか?
モモンガも宴会ではカニの処理係です。
美味しそうな料理いっぱい紹介されていますが、「どれ食べて見たい?」と聞かれたら迷わず「朝ご飯」と答えそうです。

10月の3連休に開催される旭川の食べマルシェ・・・かなり大規模なイベントになりそうです。
モモンガも蕎麦屋台に参加します。貫田シェフのご来店、お待ちしております!

2010/09/11 06:52

by一本松

長旅での審査会、お疲れさまでした。
食べることは楽しいですが、審査が入ると楽しんでいられないですね。
昨日、当麻のココペリさんで「グラタンにチーズが・・・」のお話聞きました。
ココペリさんの代わりに説明していただけたと感謝していました。

2010/09/11 11:33

byさゆっぽ

またもやすんごい行程ですね~
どれもこれもとっても美味しそう!!
自分で作るジャンボホタテバーガーはさぞ楽しくて美味しかった事でしょうね~

さゆっぽもカニを剥くのが得意です!食べるより剥く方が楽しかったりします・・・美味しい桃も剥くのが大好きですね~

この審査、さぞかし難しかったのではないですか?
物は違うし、だけど生産者はどなたも熱い情熱を持ってるし・・・耳から煙が出てる貫田シェフが目に浮かびます(笑)

2010/09/11 17:13

byモモンガさん ←シェフ貫田

◇距離と地域を考慮して飛行機利用になったようです。
◇やっぱり、モモンガさんもカニのむき係ですか。(笑)
◇漁師の母ちゃんがつくる朝ごはんは、興味がありますよね。
◇10月の連休は、宿題が多くて出られないのです。
 すみません。一度、お会いしたいです!

2010/09/13 19:29

by一本松さん ←シェフ貫田

◇ごぶさたしてました!審査だと楽しんでばかりいられません。(泣)
◇当麻町のココペリさん、グラタンのチーズ・・・あれ、どなたかの
 ブログに書いたチーズですね。ご報告、ありがとうございます。
 しばらく、行ってないので寂しいです。 

2010/09/13 19:34

byさゆっぽさん ←シェフ貫田

◇そうです、けっこうしんどい行程でしたね。
◇ジャンボホタテバーガー、おもしろ&おいしかったです。ぜひ、食べてみて!
◇さゆっぽさんは、見た感じより、かなりいろいろな料理をしますね。
 カニはむく方が楽しいのですね。O型の人特有の人に喜んでもらうのが好きなタイプですね。
◇来月、札幌で本審査がありますが、たいへんです。
 けっこう、白熱して手を上げたり、声が大きくなったりします。
 私は、食材の持つ本来のおいしさで決めるので、なんとか、自分の意思は決められます。

2010/09/13 19:44

by北のお魚大使

今回も美味しそうなものが目白押しですね。
長旅移動でお疲れの方をシェフがなんとか笑顔にして写真を撮ろうとしている姿が想像できます。
土づくりを地域の有機物を活用しているというところが、今回は目に止まりました。

2010/09/17 18:42

by北のお魚大使さま ←シェフ貫田

いつもとは限りませんが、今回はおいしいものがありました。
なぜかみなさん、私がカメラ向けると笑ってくれるのですよ。ありがたいです。
そうです、近年はただ有機質というだけでなく、身近にあるものを活用している例が増えてきました。

2010/09/17 23:14




シェフ貫田

Profile

[ 名前 ]
シェフ貫田

[ 得意ジャンル ]
料理

[ 職業 ]
フードディレクター(元シェフ)

[ 自己紹介 ]
札幌市在住で1960年生まれ。大阪の調理師学校を卒業し、札幌市内のホテルなどで修業。32歳でホテル料理長となり14年間勤めた後、早期退職して2007年、ヌキタ・ロフィスドを設立しました。現在は、講演や食に関する指導・演出をするフードディレクターとして活動中!
2008年北海道洞爺湖サミットで、ロシア政府代表団の料理指導を担当。2015年イタリア・ミラノ万博「北海道の日」で食の総合監修、農林水産省「地産地消の仕事人」、北海道食育コーディネーターなども務めています。著書に「北の料理人」IとII(晶文社)。
特製「コロッケde北海道」シリーズは、コープさっぽろトドックやどさんこプラザで人気です。専門は、ご当地メニュー&特産品の開発指導、食と観光を活かした地域づくりの助言、食育講習などで、「防災・ご当地グルメ」も研究中!


RSSを購読する


他のスペシャルBLOG