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酒とごはんと映画の日々

食のエンタテインメントマガジン・choi-plus[ちょいぷら]発行人兼編集長の家飲み&映画試写に明け暮れる毎日を、ぱらぱらと綴る。



2010/09/20[この記事のエリア] 札幌
大人向けサスペンス風ラブストーリーが面白い。

去年は日本の「おくりびと」が獲得した米アカデミーの最優秀外国語映画賞。今年この賞を獲得したのが、この「瞳の奥の秘密」。オレもあんまり観たことがなかったアルゼンチン映画なんだけど、すっごく良くできている。

舞台はアルゼンチンの首都・ブエノスアイレス。主人公のベンハミンは裁判所勤めを定年退職。家族も仕事もない手持ち無沙汰から、25年前に扱った若い女性教師の殺人事件を扱った小説を書くことを思い立ち、かつての上司イレーネに相談を持ちかける。彼女はキャリア、ベンハミンはノンキャリア、彼よりもイレーネは年下だが、今や立派な検事だ。

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© 2009 TORNASOL FILMS - HADDOCK FILMS - 100 BARES PRODUCCIONES - EL SECRETO DE SUS OJOS (AIE)

25年前、彼らは一緒に女性教師殺人事件の捜査にあたった。捜査線上に現れる被害者の幼なじみの一人の男。ただ、ベンハミンらの強引な捜査のおかげで、いったん事件は迷宮入りに。

一年後駅でベンハミンが出会ったのは、被害者の夫・モラレスだった。彼は毎日駅に来て、ほとんどあり得ない可能性に賭けて、容疑者が現れるのを待っていたのだ。モラレスの瞳に真実の愛を感じたベンハミンは、イレーネに再捜査を嘆願、再び犯人を追い始める。自分のイレーネに対する想いを、押し隠したまま…って、ストーリー。

現代と過去(2000年と1994年)を行き来しながら、殺人事件の真相究明と、ベンハミンとイレーネの関係の行方が語られていく。

 

見始めてすぐ気づくのは、何気ないシーンなのに、妙にテンションが高い。これって演出?それとも役者の演技?

一つ大きなファクターはカメラワーク。それが最も際立つのが、サッカー場での容疑者の逮捕シーン。サッカー場の俯瞰から観客席に降りてきたカメラが、そのまま逃げる容疑者を追いかけて、スタジアムの通路の中まで入っていく…って、どうやって撮ってんの?って感じ。他もわざと顔の一部を手前のモノで隠して撮影するなど、かなり凝った構図。この辺も計算された緊張感を上手く生み出していた。

ストーリーも凝ってる。回想で進んでいく話だが、次から次へと新しい事実があらわれて、予測もつかない方向に。そしてあのラスト一歩手前の衝撃。詳しくはもちろんここでは言えないけど、オレにはかなりしみたね。

ラストまで観て思ったのが、こりゃ「大人向けサスペンス風ラブストーリー」だってこと。まあ25年前のベンハミンが40歳っていう設定だから、大人向けなのは当然なんだけど。そこから25年続く愛情っていうのもあるってコト。

アラフォーならきっとこの映画の良さ、わかると思うなぁ。シアターキノでただいま上映中。

 

★★★

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2010/09/20 18:36札幌



田中勲

Profile

[ 名前 ]
田中勲

[ 得意ジャンル ]
グルメ

[ 職業 ]
エディター兼ライター兼出版社経営

[ 自己紹介 ]
大学時代。隣のヤツが常に転がり込むほど、自炊好きで名を馳せる。サラリーマン独身時代。電気コンロ一個のワンルームマンションでも料理。それをネタに女の子を部屋に呼び込む(たいてい不成功)。サラリーマン既婚時代。DINKSを良いことに、毎晩外食で収入を使い果たす。独立時代。自宅をオフィスにしたため3食自分で作ることもしばしば。たまにはkartan's bar(kartanはあだ名)と称して、ホームパーティを開催…てなことをしているうちに、choi-plus[ちょいぷら]という、普段の食生活を楽しくするための「食のエンタテインメントマガジン」をはじめる。また仕事には全然関係なく、豊平のコミュニティFM・FMアップルの映画紹介を担当。業務試写で年間100本程度の映画を鑑賞、ブログに紹介を書き続けて、早5年以上!


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