酒とごはんと映画の日々
食のエンタテインメントマガジン・choi-plus[ちょいぷら]発行人兼編集長の家飲み&映画試写に明け暮れる毎日を、ぱらぱらと綴る。
- 2010/07/20[この記事のエリア] 札幌
- シアターキノで女子向け映画 その1。
札幌のミニシアターの代表格といえば、やっぱり狸小路6丁目のシアターキノ。けっこう女子向けの映画、やってんだよ〜ということで、まず一本。
7月17日から公開している「さんかく」。
ちょいと倦怠期気味の同棲カップルのところに、彼女の方の中学生の妹が休み中に居候。その子に30男の彼氏の方がすっかり夢中になっちゃって…っていう、ちょっと痛い系ラブコメ。
『さんかく』6月 ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトルダイヤほか全国公開予定(C)2010「さんかく」製作委員会
とても不思議なのだ。
オレはこの主人公の百瀬みたいに自意識過剰(カスタムカーに自分の顔、書くかぁ?)なタイプじゃないと思うけど、その行動とかセリフとかに、妙に「あるある感」を感じる。
そうそう、しつこくされたら邪険にするクセに、夢中になっている相手には妙に甘くって…。あ〜、ウルトラ自分勝手に人を傷つけていた昔の自分を見ているよう。
う〜ん。 そんなのオレだけかと思っていたら、試写の後、知り合いの女性と話すと、「自分のことのように思った…」とほとんど同じ感想をいうので、びっくり。
いや〜不思議な作品だ。 なにか「生っぽい」のだ。登場人物のキャラとかセリフが。これを意図して生み出している監督は、非常にタダモノではない。もちろん高岡蒼甫クン(上手い!)や田畑智子ちゃん(やっぱり上手い!)とか、えれぴょんこと小野恵令奈(存在がいい!)っていう役者さんの力もあるんだろうけど。 キャラの配置も上手いんだろうな。
男性誰もが持っている自己中・自己愛要素を強調した百瀬に、しっかりモノなのに「尽くし系」の佳代、知ってか知らずか人の心を手玉に取る(子どもだからしょうがないけど…)中学生の桃。このバランスが、また絶妙。
コメディかと思ってたんだけど、だんだん笑えなくなってきて…。かといって、不必要に重くもなくって。 そしてラストシーン。これは絶対、近年稀に見る名場面だと思う。すごく、すごくいい!
いや〜、こういう作品が出てくるなんて、日本映画も未来は明るい!って、マジで思えるよ。観るべし!
2010/07/20 18:47札幌