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ラーメンコンシェルジュがそっと教える札幌ラーメン情報

[担当エリア] 札幌
「札幌ラーメンコンシェルジュ」のワタクシ大石が美味しいラーメンを探し求めて日夜市場調査‥という名の食べ歩き(笑)そんな食べ歩きで見つけた美味しいラーメン情報をそっとお教えします。



2015/01/14
奥深さを実感、札幌醤油ラーメンの三極化!

皆様お久しぶりです!

毎年恒例年明けのの企画としておかげさまで好評をいただいております(ホントか?(^^;))「札幌ラーメン最新事情」シリーズ!

今年も性懲りもなく、スタートさせていただきます(^o^)/

■過去の特集はこちら

『札幌ラーメン最新事情2012』
『札幌ラーメン最新事情2013』
『札幌ラーメン最新事情2014』

ご案内役は今年も「札幌ラーメンコンシェルジュ」こと大石が務めさせていただきます。

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どうかお付き合いのほどよろしくお願いしますm(_ _)m

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第一回目の今回は「醤油ラーメン」・・・特に「タレ」に関してにスポットを当ててみたいと思います。

今の札幌のラーメンの醤油ダレって大きく3つの系統に分けられるように思います。

【(1)同じ系統・厚みを出すタイプ】
醤油にお酒やみりん、塩、砂糖、ニンニク、生姜etc.一般的な調味料の他に、動物素材(チャーシューダレなど)や魚介素材など、スープと同じ系統や"ラーメンの範疇"の味を乗せていくタイプ。
いわゆる、普通のラーメンの「醤油ダレ」ってこのタイプが大半じゃないかな。

【(2)全く違う系統の味わいをプラスするタイプ】
二つ目は"ラーメンの範疇外"と言えるような素材を加えていくタイプ。
カレーの分野に於いてはジャムを加えたり、ココアを加えたりと「えっ?」と思うような素材を加えることがありますが、ラーメンではまだまだ珍しいんじゃないかな?

【(3)醤油そのものを立たせるタイプ】
文字通り「醤油ダレ」じゃなく、醤油そのものをキリッと効かせて、スープそのものの美味さを際立たせるタイプ。

何が良いとか、正解とかじゃなくあくまでお店の「個性」なのですが、昨年は(2)と(3)のラーメンが印象に残ったのでスポットを当ててみたいと思います。

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■あやめ

まずは2014年4月30日にオープンした「あやめ」をご紹介します。

あやめ001.jpg

店主さんは「あらとん」「蓮海」と人気店での経験を経て、満を持してのオープン!

暖簾の色が「あやめ色」なのも印象深いですね。

あやめ002.jpg

複数あるメニューの中からオススメしたいのが、この「濃厚醤油ラーメン」!

なんと、醤油ダレに「赤ワイン」「イカゴロ」といった、いかにもラーメンには合わなそうな素材を使っているのが特徴。

あやめ003.jpg

確かに、そのスープからは今まで味わったことが無いような「コク」と「旨味」が伝わってきます。

でもこれって実は非常に難しくかつ危険な試みですよね。
ともすれば「違和感」が先に来ちゃいかねない素材ですからね。

ところが、これが実に上手く違和感無く仕上げられている。
この辺は店主さんの腕とセンスのなせる技ですねぇ!

あやめ004.jpg

中細の縮れ麺との相性も抜群!

最初に「赤ワイン」とか「イカゴロ」と聞いたときには「話題づくりの色物(イロモノ)?」と斜に構えていたんだけど、かなり正統派のラーメンなのが驚きです。

ラーメンの可能性ってまだまだあることを感じさせてくれました。

うん。
今度自作ラーメンでも新しい素材を使ってみようかな。
コーヒーとかオレンジジュースとかメロンとか・・・・。
 

・・・腕もセンスも無い人間がチャレンジすると「ゲテモノ」以外の何者でもなくなるだろうから、やめておくのが無難だろうね(-_-;

 

【あやめ】
住所:北海道札幌市東区北33条東13-1-20
営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00
定休日:火曜日
TEL:011-721-2700

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■コクミンショクドウ

北区の新川からここ太平に移転してまもなく2年。
もはや誰もが認める人気店、コクミンショクドウ。

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醤油ラーメンだけでも何種類も提供していてそれぞれのメニューにファンがいるお店。

個人的には鶏の旨味がダイレクトに味わえる白しょうゆや、旭川ラーメンをフィーチャーした魚介パンチAKRは大好きなんだけど・・・。

コクショク2015001.jpg

昨年一番衝撃を受けたのが、この「なま味しょうゆらーめん」(通称:なましょう)!

「なま」というのは「火入れしていない醤油」を使っているから来た名前。

実は通常の醤油というのは、発酵を止めるとともに品質も長く安定させるために、加熱してから出荷するのが一般的なんです!

コクショク2015002.jpg

ところが、この火入れしていない「なま」醤油を使うことで香りも甘みも独特な風味と美味しさをかもし出してくれるんです。
もちろん取り扱いも難しいし、値段だって高いはずなんだけど、美味しいものを追求した結果なんでしょうね。

札幌に於いては早くから清湯(チンタン)系で高い評価と支持を得られ、先駆者的な存在のこちらのお店。
この醤油のキリリとした風味を効かせるという分野でも先駆者としてやってくれちゃいましたね。(^ー^)

コクショク2015003.jpg

見て!
この黄金色のスープ!
いかにも美味しそうでしょう(^o^)

鶏の旨味に醤油の甘い香り・・・。
シンプルな美味しさだけど一言で言うなら「洗練された美味しさ」と言えるんじゃないでしょうか!!

コクショク2015004.jpg

そしてもう一つ特徴的なのがこの太い平打ち麺。

薄いながら食感のしっかりしたモチモチの麺は啜る時の食感まで楽しい!
麺と一緒に鶏の旨味と醤油の旨味が口の中に広がる至福・・・。

コクショク2015005.jpg

従来からある「白しょうゆらーめん」の醤油の役割が、スープの旨味をダイレクトに味わうための「おとなしい助演男優」だとしたら、こちらは「主役を引き立たせる個性派助演男優」という醤油かな。

・・・わかりやすく説明しようとして、今年もわかりにくい例え話になってごめんなさい(-_-)
このラーメンとは違って「洗練された表現」ってヤツにはほど遠いな・・・。

 

【コクミンショクドウ】
住所:北海道札幌市北区太平4条3丁目3-3 ノースリバービル 1F
営業時間:11:00~15:00
定休日:水曜日
TEL:090-2053-9510
 

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■凡の風

こちらも今更説明するまでも無い人気店「凡の風」

凡の風2015001.jpg

通常メニューはどれもこれもファンの多いお店ですね。
特に2種類ある醤油ラーメン「醤油(白)」と「醤油(黒)」はゆるぎない人気商品!

その凡の風が、新しいメニューを追加したことで話題になりました。

ひとつは「中華そば 鶏と魚出汁の塩」、
そしてもうひとつが「中華そば 純鶏出汁醤油」

凡の風2015002.jpg

こちらが「中華そば 純鶏出汁醤油」
やや黒いコントラストの強い、印象に残るビジュアルですね。

凡の風2015003.jpg

文字通り「鶏の旨味」全開なスープ。
見た目ほど塩っぱくないが、醤油のキリッと立った味わい。

先のコクミンショクドウにも同じことが言えるのですが、一般的に「美味しいラーメン=足し算」のスープというのが多いけど、これはまさに「引き算の美学」とでも言うんですかね!

鶏好きにはたまらない美味しさです(^^)

凡の風2015004.jpg

また、このアルデンテに茹でられた麺との相性が素晴らしい。
小麦の風味も食感も今までの麺とは一味違う。
まさにこのスープのために作られた麺という印象。

凡の風2015006.jpg

既に人気店なのに、新しい味を追求する姿勢に脱帽です。

そう言えば、前出の「コクミンショクドウ」と比較すると「鶏」と「醤油」という組み合わせは同じ構成要素なのですが、味わいが全く別ってのもラーメンの面白いところ。

脚本が一緒でも監督が違えば違う舞台や映画になるというのと似ているかも!

・・・と、またわかりにくい説明をしてしまった。
余計な補足説明が邪魔だよね(-_-)

ワタシの説明にこそ必要なのは「引き算の美学」なのかも知れない(/_-)

【凡の風 】
住所:北海道札幌市中央区南8条西15丁目1-1 ブランノワールAMJ815 1F
営業時間:11:00~16:00(平日)18:00~21:00(平日)
11:00~20:00(土日祝日)
定休日:水曜日
TEL:011-512-2002

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■Q(キュウ)

最後にご紹介するのは2014年6月オープンの「Q(キュウ)」というお店。

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こちらは昼はラーメン、夜は焼き鳥といういわゆる「二毛作」としてオープンしたラーメン店。
(※現在は夜もラーメンが食べることができます。)
夜ラーメン(2015年1月現在)
※営業時間:17:00~19:30
※曜日:月、火、水

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夜の焼き鳥もとても美味しいと評判のお店ですが、昼のラーメンも実は本格的!

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お洒落な雰囲気の店内同様、ドンブリまでお洒落(^^)
実はこちらのお店、鶏白湯(とりぱいたん)の塩ラーメンも人気なのですが、今日は鶏清湯(とりちんたん)の醤油ラーメンをご紹介。

夜は焼き鳥で評判なだけあって、使っている鶏も「知床鶏」という北海道を代表するブランド鶏。
しっかりした味わいが人気の鶏ですが、スープにもそれがしっかり活きています。

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清湯スープなので見た目はあっさりなのですが、はっきりくっきりとした醤油の美味しさ+濃厚な知床鶏の旨味との組み合わせは意外としっかりした味わい。

もちろん、あっさりなんだけど、ff(フォルテシモ)な強いハーモニーを奏でてくれる印象です(^ー^)

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道産小麦を指定して特注で作っていただいている麺も美味しい!

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ちなみに鶏白湯(しお)にはパスタのフェットチーネ(タリアッテレ?)みたいなユニークな平打ち麺を使っています。
これも食べる価値アリです(^^)b

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ちなみに、店主さんは兵庫県出身。
地元兵庫はたつの市(龍野)という醤油醸造では有名な地域があるのですが、そこの「末廣醤油」という醸造元の醤油を使用しているそう。

ちなみにのちなみに・・・。
龍野には「うすくち龍野醤油資料館」なる醤油の博物館があるそうですね。
・・・行ってみたいかも(^^;

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まだ若い店主さんですしオープン間もないお店ですが、東京でいくつかのお店での修行経験を経てのオープン。

日々熱心に改良を重ねているようですし、これからが楽しみなお店の一つです。

ちなみにちなみにちなみに・・・というか蛇足(-_-;
夜の「焼き鳥ダイニングQ」に先日足を運び、パシャパシャと写真を撮っていた時・・・。

同行者曰く
『なんだか昼のラーメンの取材より生き生きしていませんか?(*o*)』
と・・・。

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いかんいかん!
札幌飲ん兵衛コンシェルジュになってしまう

【Q(キュウ) 】
住所:北海道札幌市中央区北一条西2-1-3 りんどうビル B1F
営業時間:11:00~15:00 17:00~19:30
(※夜のラーメンは 月、火、水の17:00~19:30。焼き鳥ダイニング「Q」営業時間は17:00~23:30)
定休日:日曜日
TEL:011-212-1499

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さて・・・ということで、今年も「札幌ラーメン最新事情」と題して書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
毎年新しいお店や新しい味がどんどん生まれる札幌。

新しい味に出会えるのも今の札幌の楽しいところだと思っています。

皆さんの食べ歩き&ラーメンライフの一助となれば幸いです。
引き続き今年もシリーズでよろしくお願いします!

 

なお、今回登場したお店のうち「凡の風」の商品は弊社の「屋食ラー麺」のサイトでもお買い求めいただけます。

今回ご紹介している店舗は今回ご紹介した『「中華そば 純鶏出汁醤油』とは違う商品ですが、店主さんの実力を感じるには十分な商品だと思います。

ご自宅でも是非お楽しみください(^o^)/

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凡の風

2015/01/14 10:00コメント(2)


コメント一覧

byみうら

毎回楽しみに見ています。もちろん見るだけでなく、食べにいってます。

2015/01/22 17:59

by札幌ラーメンコンシェルジュ

みうら様
コメントありがとうございます!
こんな駄文を「楽しみ」なんて言っていただき本当に光栄ですし励みになります(^^;
ラーメンは嗜好品である以上、当然好みはあると思いますが、食べ歩きの参考になれば嬉しいです。
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

2015/01/22 18:41




札幌ラーメンコンシェルジュ 大石 敬

Profile

[ 名前 ]
札幌ラーメンコンシェルジュ 大石 敬

[ 職業 ]
株式会社えぞキッチン代表取締役

[ 自己紹介 ]
株式会社えぞキッチン代表取締役。札幌市内の人気店のラーメンを急速冷凍して宅配するサービス『札幌謹製 屋食ラー麺』http://yashoku-ramen.jp/を運営する傍ら自社ブランドのオリジナルのラーメンなどの開発も行っています。お店とのネットワークや食べ手側のネットワークを活かし「札幌ラーメンコンシェルジュ」としてTVの情報番組などにも時々顔を出しています。実は(株)えぞキッチンは『食』だけじゃなく『IT』や『デザイン』も積極的に取り組んでいるのですが、ラーメンばかり注目されるのが少しもどかしかったりもする今日この頃・・・(笑)


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