ラーメンコンシェルジュがそっと教える札幌ラーメン情報
[担当エリア] 札幌
「札幌ラーメンコンシェルジュ」のワタクシ大石が美味しいラーメンを探し求めて日夜市場調査‥という名の食べ歩き(笑)そんな食べ歩きで見つけた美味しいラーメン情報をそっとお教えします。
2015年1月
- 2015/01/28
- 教えて!大石さん、プチまとめ的 札幌ラーメンQ&A
ぐうたび編集部(以下「編」):実は社内外から大石さんにいろいろな質問が寄せられておりまして、今回はそのQ&Aで最新事情3をジャックさせてもらいたいのですが・・。 あ、どこが一番おいしいですかといったものは除きますので(笑。
大石さん(以下「大」):紹介したいラーメン店がありすぎて、先に回を重ねたい気持ちもありますが、まぁ、いいですよ(笑)、ラーメン店の紹介も交えながらお答えしますね。
編:ありがとうございます! ではさっそく。ぐうたびの「札幌ラーメン最新事情」は、2012年からもう4年連続でお願いしておりますが、そもそもラーメンを年間300食以上食べ歩き、ラーメン通になられたきっかけというのは、いったい何だったのでしょうか!?
大:小さいころからラーメンは好きでしたが、毎日のように食べるようになったのは就職してからですね。入社して二週間で東京に転勤することになって・・、3年の予定が結局19年も東京で暮らすことになりました。
で、東京では当時「札幌ラーメン」がそれなりにブームで、あちこちに「札幌ラーメン」の幟を掲げるお店があったんですが、ごく普通の札幌の食堂で食べられるような味噌ラーメンを食べたかっただけなのに、全然違う店ばっかりで・・・・。中には味噌汁のようなスープに縮れていないふにゃふにゃな麺が入っていて、コーンとバターを乗っけて「はい!札幌ラーメン」なんて店もありましたね。
まぁ今のように情報がない時代だから仕方が無いのかもしれませんが、あまりにもひどくてカウンターをひっくり返しそうに何度もなりました(笑)
そうこうしているうちに「札幌ラーメン」だけじゃなく、他のラーメンも食べ歩くようになったんですね。当時は「荻窪」が東京ラーメンの聖地でした。丸福、春木屋、丸信、作新、漢珍亭・・今だから言えますが、荻窪の名店と言われるお店で食べても「おいしい」と思えなくて、カウンターをひっくり返しそうにはならなかったけど「魚くさくて、知っているラーメンとは全然違う」と思ったものです。
・・・今なら、春木屋に対して「魚くさいラーメン」なんて思っていた当時の自分を殴ってやりたいですけどね(笑)
そんな感じで普通の札幌ラーメンが食べたくて探しているうちに、色々なラーメンを食べることになったというところでしょうか。営業で地方への出張も多かったので、だんだんと札幌ラーメンにとらわれず、色々なラーメンがあるのが楽しくなってきたというか・・・懐が広くなっていきましたね。
2015/01/28 06:28
- 2015/01/21
- 青森の煮干し系から福岡の豚骨まで、 全国のご当地ラーメンを楽しもう!
シリーズではじまりました「札幌ラーメン最新事情2015」
2回目の今回は「ご当地ラーメン」をキーワードにピックアップしてみたいと思います。
以前より何度かお話しておりますが、今の札幌を一言で言い表すなら
「バラエティに富んでいる」
というのが特徴なんじゃないでしょうか?
10年ほど前までは「魚介系のスープは札幌では流行らない」なんて言われた時代もありましたが、「昔ながらの札幌スタイルのラーメン」と「スタイルにこだわらないトレンド系ラーメン」がバランス良く、しかもバリエーション豊かに存在しており、それが多くの方の舌を楽しませてくれています。
そんな、食べる側の受け入れ態勢が整った(?)のもあるのか、昨年はバラエティ豊かな全国のご当地ラーメンを食べられる機会が多かったのも印象的でした。
■豊平アクションSTEP3
これは残念ながら既に終了してしまったイベントですが、豊平区の人気店が期間限定で全国のご当地ラーメンを作り提供するというイベントでした。
北は青森から南は沖縄まで、日本の様々なご当地ラーメンを豊平区だけで食べられちゃうってとても楽しい!!
各店店主さん自らその土地に足を運び、その地域を代表する味を学んで来るという徹底ぶり。
実際に全店食べてみて思ったのは・・・・。
「めっちゃ本格的(*o*)」ってこと
期間限定のイベントだし、自らのお店の通常営業を行いながらだから
「それなりの味に仕上げてくるのかな?」
なんて実は思っていたんだけど・・・。
それぞれの店主さんがプライドをかけて味作りをされたんでしょうね!
どれもこれも美味しく楽しかった!
本当は全部のお店の味を一店一店ご紹介したいところですが、長くなりそうなので今回はお許しください・・・。
このイベントはまだ是非やってもらいたいなぁ!
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■各種物産展
北海道物産展が全国のデパートで人気なのはニュースなどでご覧になったことがあるかと思います。
地域別の物産展ではやはり「北海道物産展」がダントツの人気らしいですね。
でも、実は逆に、札幌でも日本各地の物産展が開かれているんですよ。
そして、そのいくつかではラーメンがイートインコーナーで食べれちゃったりするんです(^o^)
意外と知らない人が多いようですが、これは是非利用して欲しいところ。
物産展情報は要チェックです(^ー^)b
昨年は博多の「一心亭」や喜多方の「まるや」など毎年恒例のもののほかに、東京から「大勝軒」や「ソラノイロ」という人気店をはじめ、沖縄や鹿児島のラーメンも食べられて、とても楽しませていただきました(^^)
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さて、前半はイベントや物産展など、特定の時期に食べられるラーメンをさらっとご紹介しましたが、やっぱり定常的に食べられる情報が欲しいですよね(^^;
ということで、ここからは、札幌で定常的に食べられるご当地系ラーメンをご紹介して行きたいと思います。
■麺屋つがる
まず、最初に紹介するのは麺屋つがる。
名前の通り、青森県津軽地方のラーメンです。
メニューは煮干系のつがるラーメンと鶏+煮干の中華そばの2種類があるけど、個人的にオススメは「つがるラーメン」
ライトだけどしっかり味わえる煮干のスープがとても好き(^ー^)
えぐみが少ないので、煮干系ラーメン初心者の方でも食べやすいと思います。
実はこの日はランチタイムで2軒目の訪問(^^;
お腹はそれなりにいっぱいなんだけど・・・。
こういうあっさり系ならスルスルと入っちゃうんだよね。
脂のほとんど無いスープは煮干の美味しさで溢れながらも、とても食べやすい。
年齢的なものもあるけど・・・こういうすっきりしたタイプが最近は好きなんだよね!
・・・って、実は一軒目に訪問したお店がこってり系味噌ラーメンで、そっちも好きなんだけどね(-_-)
単なる空腹具合の問題か(-_-)
やっぱりこの手のスープには細麺が良く似合う!
あっさりすっきりスープにやや細目のちぢれ麺がスルスル胃袋に収まる!
今や津軽地方のラーメンと言っても二郎系の野菜山盛りのラーメンを出すお店もあったりして、バラエティ豊かになってきていますが、やっぱり頭に浮かぶのは「煮干や焼き干の魚介風味の香る醤油系あっさりラーメン」というのが自分の印象。
ノスタルジックな雰囲気をドンブリに感じながら食べる一杯は、どこか懐かしい。
卓上に旨味粉や・・・・
らーめんたれ、なんてのもあります。
これでお好みに調整すると最後までお好みの味で食べられるんじゃないでしょうか。
私はさすがに昼の2杯目なのであまり食べられなかったけど・・・・
ウソです(-_-;
2杯目でもスープを飲み干すほど、スルスル・ごくごくいっちゃいました(^^;
津軽弁で言うと
「も はらちゅいふて あどけね(*o*)」
(訳:もう満腹でこれ以上は食べられません)
って感じなんですけどね・・・┐( ̄ヘ ̄)┌
【麺やつがる】
住所:北海道札幌市北区北35条西3-2-16 セピア35A棟 1F
営業時間:11:00~15:00 17:00~20:00
定休日:不定休
TEL:090-8928-4332
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■ら~めん たく家
続いてご紹介するのは「横浜」のご当地ラーメン。
らーめんたく家です。
看板の右下に「家系(いえけい)」と書かれていますね。
家系ラーメンは、1970年代に登場した神奈川県横浜市で生まれた「吉村家」を元祖とされるラーメンのジャンルで、その多くに「○○家」という店名が使われていることからそう呼ばれています。
系列も増え、一概に定義するのも難しくなって来ましたが、豚骨や鶏がらスープに鶏油を浮かべた醤油味が代表的な味わい。
太麺が一般的でトッピングにほうれん草・チャーシュー・のりは欠かせない!
はい!
この日の全体像はこんな感じです!!
すみません(-o-)
またしょうもないウソを書きました。
正しい全体像は上の写真。
この家系ラーメンにはライスが欠かせない!!
・・・と勝手に思っている(笑)
クリーミーな豚骨の風味に、鶏油の香りが食欲をそそる。
この麺の感じも本場の雰囲気を演出してくれるねぇ!(^^)
気分はハマっ子!
ちなみに、家系ラーメンを提供するお店の多くは「麺の固さ」「脂の量」「味の濃さ」が選べるのも特徴。
慣れてくると「カタメ・多目・濃い目」なんて自分好みのオーダーが楽しめるのも特徴。
このお店を訪問した際に真っ先に目に飛び込んで来たのがコレ!
ライスとの相性が良いことをよっくわかっていらっしゃる(^ー^)
ほら、オレって海苔好きじゃん!
このスープの染みた海苔をご飯に乗せると最高に美味いじゃん!
折角のご当地シリーズなので、その土地の言葉を使おうと思ったけど、「ハマ言葉」がよくわかっていません(-_-;
「じゃん」ぐらいしか知らないんです(>_<)
『あーあ・・・またスープまで飲み干しちゃった・・・じゃん。』
使い方、正しいですか?
え?使い方は正しいかも知れないが、夜10時の食事としては正しくないかも知れないって?(*o*)
ごもっとも・・・じゃんか。
【ら~めん たく家】
住所:北海道札幌市北区北21条西4-1-16
営業時間:11:30~16:00、18:00~22:00(平日)
11:30~20:00(土・日・祝)
定休日:水曜日
TEL:011-757-2577
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■天下一品
さて、徐々に南下してまいりましたが、続いては「京都」発のお店。
天下一品をご紹介。
北海道以外の地域にお住まいの方は「今更?」と思われるかも知れませんね。
なんせ、北は東北、南は沖縄、挙句の果てにハワイにまでそのお店があるという、超メジャーラーメンチェーンですからね。
待ってましたの北海道初上陸は2014年6月。
このラーメンに私が初めて出会ったのは1980年代だったかな?
当時は事前情報も先入観も無い状態でお店に入り、運ばれてきたラーメンを見て「ギョッ(*o*)」っとしたっけ・・・。
見て!このドロドロのスープ(^^;
今ではこういう写真を見るだけでちょっとテンションがあがるけど・・・。
当初はこの鶏白湯濃厚スープは「苦手」だったことを告白しておこう(^^;
ところが、なんだか数日過ぎると「もう一度食べてみたい」と思い・・・。
気がつくと何度も食べ、いつのまにやら大好きなラーメンになっていた。
京料理というと、味付けが薄いあっさりしたものを連想する人も多いかも知れませんが、ことラーメンに関してはかなりこってりしたタイプが多い。
特にこの手の鶏白湯の濃厚タイプを提供する店が多く、ある意味「京都のお吸い物」と「ラーメン」は対極にあるのが面白い(^^)
天下一品と言えば卓上調味料も欠かせない存在。
辛子味噌は辛いけどクセになるんだよね~。
ついつい入れすぎてしまう(^^;
ちなみに蛇足だけど。。。。
昨年京都に出張した際に「総本店」に行ってきました(^ー^)
周りに由緒ある建物、歴史的建造物などなど、見所満載の京都・・・・。
そんな中にあって、お寺を回るより、天下一品の総本店詣でが何より楽しかったなんて人には言えないよね(^^;
おっと。札幌はすすきの店に話を戻さなくちゃ!!
京都帰りで京都弁を色々と教えてもらったから、使いたくて仕方がない時期にすすきの店に初訪問。
注文だって、京都弁を使いたくてウズウズ(^^;
でも、京都弁って結構バリエーションが多いんだよね。
ラーメン たのむわ
ラーメン おくれやす
ラーメンに しときますわ
ラーメン くれへん?
ラーメン おくれやしまへんやろか?
さーて、どの方言を使ってやろうかワクワクしながらお店に入って店員さんにオーダーしようとしたら。。。。
『お客さーん!券売機をご利用くださーい』
だってさ(-_-;
『券売機やったことにげんなりどした!!』
・・・悔しいから、せめてここで京都弁でつぶやいてみました(-_-)。
あ、ちなみに最新鋭の券売機はとても使いやすかったけどね(笑)
【天下一品 すすきの店 】
住所:北海道札幌市中央区南7条西3-7-12 さいとうビル 1F
営業時間:[日~木]11:00~翌2:00
[金・土・祝前日]11:00~翌4:00
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)
TEL:011-200-0978
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■ラーメン 八卦
さて、さらに南下して、最後は九州は久留米のご当地ラーメン。
ラーメン「八卦」をご紹介。
ここラーメン八卦は本格的な「久留米ラーメン」を食べられるお店。
ちょっとここでサラッと久留米ラーメンに触れておくと、実は九州全域に見られる「白濁した豚骨スープ」は久留米で生まれたと言われています。
昭和10年代、元々は久留米のラーメンは豚骨を使っていながら、白濁していないタイプが主流だったそうな。
その後昭和20年代に入り「三久」というお店の店主さんが、寸胴にスープを強火のままかけっぱなしで長時間外出してしまったら、見事な白濁豚骨スープができたそうな・・・。
なんとものんきな話ではあるが・・・火事にならなくて良かったね(^^;
店主さんがしっかりものだったら逆に生まれていなかったスープかも知れない(笑)
くー!このビジュアル!
そそられますねぇ!(^ー^)
久留米ラーメンは博多より濃度が濃く、これは「大砲」というお店が考案した「呼び戻しスープ」と呼ばれる技法によるものと言われています。
これは毎日スープを使い切るのではなく、常に継ぎ足し継ぎ足しして濃度をあげつつ旨みを乗せていく手法。
まるで老舗のうなぎ屋のタレや焼き鳥屋のタレのようですね。
で、こちらのお店も「呼び戻し」の技法を使っており、実にコクのある深い味わいのスープにしあがっている!
その一方で「しつこさ」や「くどさ」が無く、むしろ後を引かない軽さも持っている。
あー・・・コレ美味か・・・バイ!!(-´▽`-)
加水率が低く、パツンとした食感の麺はこのスープと抜群の相性。
初めて食べたときは九州から取り寄せているのかと思ったんだけど、実は札幌のさがみ屋製麺の麺なんですって!
博多ラーメンは基本的に麺は少なめ。
久留米のラーメンはそれより少し多めなのかな。
それでもやっぱり細麺はおやつ感覚で食べられるのが嬉しい(^o^)
軽い軽い。
「カリカリ」と呼ばれる豚の背脂を揚げたものが香ばしく、良いアクセントになっている!!
あーあ・・・もう終わりかぁ・・・。
美味しくご馳走様。
・・・って、また こまかしら ごつば ついてしもたバイ(-_-)
・・・実に怪しい博多弁だ・・・。
この手のラーメンに欠かせないのは替え玉(替え麺)。
実は博多より麺量の多い久留米では替え玉の無い店もあるそうですが、それでも札幌の麺量に比較するとボリュームは少ないからね!
そうそう。
こちらのお店は正月も休まず営業をされていたとのこと。
「正月も休まず営業って大変でしたでしょう?」
と投げかけると
「いやいや、どうせ毎日豚骨スープに火を入れなくちゃなりませんから、ついでなんです」
と笑いながら答えられた店主さん。
冒頭に「白濁した豚骨スープは火をかけっぱなしという呑気な状況で生まれた」なんて書きましたが・・・。
それを「美味しく」「進化させる」ってことは容易なことじゃないんですね。
「呼び戻し」という技法は素晴らしいけど、それを維持していくのにはそれ相応の覚悟も必要だという当たり前のことを今更ながら実感しました。
さて・・・ワタクシのドンブリ。
少ない麺量なので替え玉してもスルスルスルリ!
軽めのお食事って感じですよね(^ー^)
と、思ったのだが・・・。
実はこちらのお店、一玉の麺量は標準の札幌ラーメンとあんまり変わらないぐらいあるそうで・・・(*o*)
ええっ?そうなの?
すこーしも軽くないわー♪(-_-)
どこかで聞いたことがあるようなメロディを口ずさみながらお店を後にした・・・。
【ラーメン 八卦 】
住所:北海道札幌市北区新川3条11丁目10-21 竹中ビル 1F
営業時間:11:00~15:00 17:00~20:00
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
TEL:090-5732-5350
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さて、ということで「札幌ラーメン最新事情2015」2回目はご当地ラーメンをキーワードにスポットを当ててみました。
様々な味が楽しめるようになった札幌。
いろんなスタイルがありますが、全国にはそれぞれ特色のあるユニークなラーメンがまだまだあります。
麺や仕込など、その土地じゃなければ簡単には作りあげることのできない味もあるはず。
影には店主さんの努力があるんだと思います。
今年は各地のご当地ラーメンも楽しんでみてはいかがでしょうか?
2015/01/21 21:35
- 2015/01/14
- 奥深さを実感、札幌醤油ラーメンの三極化!
皆様お久しぶりです!
毎年恒例年明けのの企画としておかげさまで好評をいただいております(ホントか?(^^;))「札幌ラーメン最新事情」シリーズ!
今年も性懲りもなく、スタートさせていただきます(^o^)/
■過去の特集はこちら
『札幌ラーメン最新事情2012』
『札幌ラーメン最新事情2013』
『札幌ラーメン最新事情2014』
ご案内役は今年も「札幌ラーメンコンシェルジュ」こと大石が務めさせていただきます。
どうかお付き合いのほどよろしくお願いしますm(_ _)m
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第一回目の今回は「醤油ラーメン」・・・特に「タレ」に関してにスポットを当ててみたいと思います。
今の札幌のラーメンの醤油ダレって大きく3つの系統に分けられるように思います。
【(1)同じ系統・厚みを出すタイプ】
醤油にお酒やみりん、塩、砂糖、ニンニク、生姜etc.一般的な調味料の他に、動物素材(チャーシューダレなど)や魚介素材など、スープと同じ系統や"ラーメンの範疇"の味を乗せていくタイプ。
いわゆる、普通のラーメンの「醤油ダレ」ってこのタイプが大半じゃないかな。
【(2)全く違う系統の味わいをプラスするタイプ】
二つ目は"ラーメンの範疇外"と言えるような素材を加えていくタイプ。
カレーの分野に於いてはジャムを加えたり、ココアを加えたりと「えっ?」と思うような素材を加えることがありますが、ラーメンではまだまだ珍しいんじゃないかな?
【(3)醤油そのものを立たせるタイプ】
文字通り「醤油ダレ」じゃなく、醤油そのものをキリッと効かせて、スープそのものの美味さを際立たせるタイプ。
何が良いとか、正解とかじゃなくあくまでお店の「個性」なのですが、昨年は(2)と(3)のラーメンが印象に残ったのでスポットを当ててみたいと思います。
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■あやめ
まずは2014年4月30日にオープンした「あやめ」をご紹介します。
店主さんは「あらとん」「蓮海」と人気店での経験を経て、満を持してのオープン!
暖簾の色が「あやめ色」なのも印象深いですね。
複数あるメニューの中からオススメしたいのが、この「濃厚醤油ラーメン」!
なんと、醤油ダレに「赤ワイン」「イカゴロ」といった、いかにもラーメンには合わなそうな素材を使っているのが特徴。
確かに、そのスープからは今まで味わったことが無いような「コク」と「旨味」が伝わってきます。
でもこれって実は非常に難しくかつ危険な試みですよね。
ともすれば「違和感」が先に来ちゃいかねない素材ですからね。
ところが、これが実に上手く違和感無く仕上げられている。
この辺は店主さんの腕とセンスのなせる技ですねぇ!
中細の縮れ麺との相性も抜群!
最初に「赤ワイン」とか「イカゴロ」と聞いたときには「話題づくりの色物(イロモノ)?」と斜に構えていたんだけど、かなり正統派のラーメンなのが驚きです。
ラーメンの可能性ってまだまだあることを感じさせてくれました。
うん。
今度自作ラーメンでも新しい素材を使ってみようかな。
コーヒーとかオレンジジュースとかメロンとか・・・・。
・・・腕もセンスも無い人間がチャレンジすると「ゲテモノ」以外の何者でもなくなるだろうから、やめておくのが無難だろうね(-_-;
【あやめ】
住所:北海道札幌市東区北33条東13-1-20
営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00
定休日:火曜日
TEL:011-721-2700
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■コクミンショクドウ
北区の新川からここ太平に移転してまもなく2年。
もはや誰もが認める人気店、コクミンショクドウ。
醤油ラーメンだけでも何種類も提供していてそれぞれのメニューにファンがいるお店。
個人的には鶏の旨味がダイレクトに味わえる白しょうゆや、旭川ラーメンをフィーチャーした魚介パンチAKRは大好きなんだけど・・・。
昨年一番衝撃を受けたのが、この「なま味しょうゆらーめん」(通称:なましょう)!
「なま」というのは「火入れしていない醤油」を使っているから来た名前。
実は通常の醤油というのは、発酵を止めるとともに品質も長く安定させるために、加熱してから出荷するのが一般的なんです!
ところが、この火入れしていない「なま」醤油を使うことで香りも甘みも独特な風味と美味しさをかもし出してくれるんです。
もちろん取り扱いも難しいし、値段だって高いはずなんだけど、美味しいものを追求した結果なんでしょうね。
札幌に於いては早くから清湯(チンタン)系で高い評価と支持を得られ、先駆者的な存在のこちらのお店。
この醤油のキリリとした風味を効かせるという分野でも先駆者としてやってくれちゃいましたね。(^ー^)
見て!
この黄金色のスープ!
いかにも美味しそうでしょう(^o^)
鶏の旨味に醤油の甘い香り・・・。
シンプルな美味しさだけど一言で言うなら「洗練された美味しさ」と言えるんじゃないでしょうか!!
そしてもう一つ特徴的なのがこの太い平打ち麺。
薄いながら食感のしっかりしたモチモチの麺は啜る時の食感まで楽しい!
麺と一緒に鶏の旨味と醤油の旨味が口の中に広がる至福・・・。
従来からある「白しょうゆらーめん」の醤油の役割が、スープの旨味をダイレクトに味わうための「おとなしい助演男優」だとしたら、こちらは「主役を引き立たせる個性派助演男優」という醤油かな。
・・・わかりやすく説明しようとして、今年もわかりにくい例え話になってごめんなさい(-_-)
このラーメンとは違って「洗練された表現」ってヤツにはほど遠いな・・・。
【コクミンショクドウ】
住所:北海道札幌市北区太平4条3丁目3-3 ノースリバービル 1F
営業時間:11:00~15:00
定休日:水曜日
TEL:090-2053-9510
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■凡の風
こちらも今更説明するまでも無い人気店「凡の風」
通常メニューはどれもこれもファンの多いお店ですね。
特に2種類ある醤油ラーメン「醤油(白)」と「醤油(黒)」はゆるぎない人気商品!
その凡の風が、新しいメニューを追加したことで話題になりました。
ひとつは「中華そば 鶏と魚出汁の塩」、
そしてもうひとつが「中華そば 純鶏出汁醤油」
こちらが「中華そば 純鶏出汁醤油」
やや黒いコントラストの強い、印象に残るビジュアルですね。
文字通り「鶏の旨味」全開なスープ。
見た目ほど塩っぱくないが、醤油のキリッと立った味わい。
先のコクミンショクドウにも同じことが言えるのですが、一般的に「美味しいラーメン=足し算」のスープというのが多いけど、これはまさに「引き算の美学」とでも言うんですかね!
鶏好きにはたまらない美味しさです(^^)
また、このアルデンテに茹でられた麺との相性が素晴らしい。
小麦の風味も食感も今までの麺とは一味違う。
まさにこのスープのために作られた麺という印象。
既に人気店なのに、新しい味を追求する姿勢に脱帽です。
そう言えば、前出の「コクミンショクドウ」と比較すると「鶏」と「醤油」という組み合わせは同じ構成要素なのですが、味わいが全く別ってのもラーメンの面白いところ。
脚本が一緒でも監督が違えば違う舞台や映画になるというのと似ているかも!
・・・と、またわかりにくい説明をしてしまった。
余計な補足説明が邪魔だよね(-_-)
ワタシの説明にこそ必要なのは「引き算の美学」なのかも知れない(/_-)
【凡の風 】
住所:北海道札幌市中央区南8条西15丁目1-1 ブランノワールAMJ815 1F
営業時間:11:00~16:00(平日)18:00~21:00(平日)
11:00~20:00(土日祝日)
定休日:水曜日
TEL:011-512-2002
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■Q(キュウ)
最後にご紹介するのは2014年6月オープンの「Q(キュウ)」というお店。
こちらは昼はラーメン、夜は焼き鳥といういわゆる「二毛作」としてオープンしたラーメン店。
(※現在は夜もラーメンが食べることができます。)
夜ラーメン(2015年1月現在)
※営業時間:17:00~19:30
※曜日:月、火、水
夜の焼き鳥もとても美味しいと評判のお店ですが、昼のラーメンも実は本格的!
お洒落な雰囲気の店内同様、ドンブリまでお洒落(^^)
実はこちらのお店、鶏白湯(とりぱいたん)の塩ラーメンも人気なのですが、今日は鶏清湯(とりちんたん)の醤油ラーメンをご紹介。
夜は焼き鳥で評判なだけあって、使っている鶏も「知床鶏」という北海道を代表するブランド鶏。
しっかりした味わいが人気の鶏ですが、スープにもそれがしっかり活きています。
清湯スープなので見た目はあっさりなのですが、はっきりくっきりとした醤油の美味しさ+濃厚な知床鶏の旨味との組み合わせは意外としっかりした味わい。
もちろん、あっさりなんだけど、ff(フォルテシモ)な強いハーモニーを奏でてくれる印象です(^ー^)
道産小麦を指定して特注で作っていただいている麺も美味しい!
ちなみに鶏白湯(しお)にはパスタのフェットチーネ(タリアッテレ?)みたいなユニークな平打ち麺を使っています。
これも食べる価値アリです(^^)b
ちなみに、店主さんは兵庫県出身。
地元兵庫はたつの市(龍野)という醤油醸造では有名な地域があるのですが、そこの「末廣醤油」という醸造元の醤油を使用しているそう。
ちなみにのちなみに・・・。
龍野には「うすくち龍野醤油資料館」なる醤油の博物館があるそうですね。
・・・行ってみたいかも(^^;
まだ若い店主さんですしオープン間もないお店ですが、東京でいくつかのお店での修行経験を経てのオープン。
日々熱心に改良を重ねているようですし、これからが楽しみなお店の一つです。
ちなみにちなみにちなみに・・・というか蛇足(-_-;
夜の「焼き鳥ダイニングQ」に先日足を運び、パシャパシャと写真を撮っていた時・・・。
同行者曰く
『なんだか昼のラーメンの取材より生き生きしていませんか?(*o*)』
と・・・。
いかんいかん!
札幌飲ん兵衛コンシェルジュになってしまう
【Q(キュウ) 】
住所:北海道札幌市中央区北一条西2-1-3 りんどうビル B1F
営業時間:11:00~15:00 17:00~19:30
(※夜のラーメンは 月、火、水の17:00~19:30。焼き鳥ダイニング「Q」営業時間は17:00~23:30)
定休日:日曜日
TEL:011-212-1499
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さて・・・ということで、今年も「札幌ラーメン最新事情」と題して書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
毎年新しいお店や新しい味がどんどん生まれる札幌。
新しい味に出会えるのも今の札幌の楽しいところだと思っています。
皆さんの食べ歩き&ラーメンライフの一助となれば幸いです。
引き続き今年もシリーズでよろしくお願いします!
なお、今回登場したお店のうち「凡の風」の商品は弊社の「屋食ラー麺」のサイトでもお買い求めいただけます。
今回ご紹介している店舗は今回ご紹介した『「中華そば 純鶏出汁醤油』とは違う商品ですが、店主さんの実力を感じるには十分な商品だと思います。
ご自宅でも是非お楽しみください(^o^)/
凡の風 |
2015/01/14 10:00コメント(2)