ラーメンコンシェルジュがそっと教える札幌ラーメン情報
[担当エリア] 札幌
「札幌ラーメンコンシェルジュ」のワタクシ大石が美味しいラーメンを探し求めて日夜市場調査‥という名の食べ歩き(笑)そんな食べ歩きで見つけた美味しいラーメン情報をそっとお教えします。
- 2014/03/04[この記事のエリア] 網走・紋別・北見・知床
- 新小麦ブランド「つるきち」のポテンシャル
北海道では、輸入小麦から道産小麦への利用転換を目指す「麦チェン」運動というものが推進されています。
そして、道産麦に適した商品を積極的に販売・提供している「麦チェンサポーター店制度」というものがあるのをご存知ですか?
その麦チェンサポーター店の情報交換などを目的に、「麦チェンサポーター店交流会2014」(主催:株式会社ぐるなび、協力:北海道、事務局:公益財団法人はまなす財団)という会が開催されました。」
麦チェンサポーター店はもちろん、小麦農家さんや製粉業者さんなど多くの方が参加し、情報交換を行ってきました。
私の知る限りラーメンの分野に於いて、2000年初等までは北海道産小麦の評判は今ひとつでした。
「応援したいけど・・・うどんっぽい麺なんだよね┐( ̄ヘ ̄)┌ 」
なんてシビアな声もよく耳にしたものです。
それがここ4~5年でしょうか。
急速に
『道産小麦のラーメンは美味しいよね(*o*)』
という評価に変わってきたように思います。
この背景には生産者の方々はもちろん、品種改良を行なってきた関係者、製粉業者、製麺業者・・・そして実際にそれらを提供しているラーメンの方々などなど、様々な方の努力があったのだと思います。
特に「ユメチカラ」という品種の登場と普及は大きく札幌ラーメンの文化を変えつつあるように思います。
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ということで、不肖札幌ラーメンコンシェルジュの私も「道産小麦」の良さを見直しているまさに真っ最中なのですが・・・。
実は道産小麦の「うどん」に於ける自給率は7割程度なのに対して、「ラーメン」に於ける自給率はまだ数パーセントと低く、その理由がパンやラーメンに適した小麦が栽培しにくいというのも挙げられます。
「ゆめちから」という品種の登場でその流れが大きく変わりつつありますが、まだまだ道のりは長いと思っております(^^;
で、さらに補足をしておくと、「キタノカオリ」というラーメン特性に優れた品種があるのですが、これが栽培が難しいらしく(低アミロが発生しやすい)、それに変わる品種として大注目を集めているのが、実は「つるきち」という新しい品種なんです!!
オホーツク地区では近年「オホーツク北見塩焼きそば」というご当地グルメで頑張っておられますが、十勝地区に負けないぐらい小麦の生産に力を入れているところ。
今回の会合で北見市に本社を構える「株式会社ツムラ」様より、話題の品種「つるきち」のラーメン用の麺のサンプルをいただきました。
まだ試験栽培の段階にある「つるきち」を使い、株式会社ツムラさんが試験的に作られたラーメン用の麺。
これは興味津々ですよね(^^)
今回ご好意でお分けいただきましたので早速試食です!
~~~~試食レポ~~~
まずは少しだけ茹でて味見・・・。
おお!
食感がすばらしいし、香りもイイ!
つるきちの名前の由来(?)通り、表面の適度なつるつる感も好みだなぁ(^^)
・・・あ、自分の好みはどうでもいいですか?(^^;
さてと・・・どんなスープにあわせよう(^^)
まずはシンプルな鶏がら+煮干の「薄めの味わい」で・・・。
まぁ、予想通り(^^)
美味しい麺はあまりスープに飾りつけはいらないね。
プツンという適度な歯ごたえは現在主流の外麦の札幌麺のそれに近いものがある。
口から鼻に抜ける香りは小麦本来の良い香り・・・甘みも思った以上に強く感じる。
続いてトムヤムクン風の強いスープ。
油は少なめにして麺のコーティングを防ぎ、その分「辛さ」「酸味」「(えび)風味」など他の要素を強いもので試食。
全然負ける気がしねえ(笑)
辛さや酸味などの後にちゃんと小麦の美味しさが広がるからこういうタイプでも相性抜群。
ということで「この麺なら!」と思ったのが、トラディショナル札幌ラーメンスタイル。
ニンニクやショウガを強めに効かせ、油もやや多目。
結論を言うと「一番好き」(^^)
・・・いやそうだった、自分の好みはこの際置いておかなくちゃ(笑)
ただ、客観的に見ても相性はかなり良いと思う。
従来の「札幌スタイル麺」と比較してまず食感に違和感があまり無い。
あえて言うと若干柔らかい印象かな。
実はこの「違和感が無い」というのも重要な要素という気がしている。
いくら美味しくても「今の延長線上にないもの(突飛なもの)」はやっぱり受け入れれるのに時間がかると思う。
そして、それに対して風味・甘みはこの状態でもきっちり感じられるので、「良い部分だけ」が際立つような印象。
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この「つるきち」という品種が一般に普及するには数年はかかりそうとの話をお聞きしました。
でも、こと中華麺に関してはものすごく高いポテンシャルを持っているように感じました。
特に酸味や辛味や他の強い味と合わせても、風味や甘みはしっかり感じられるので応用範囲は広い印象です。
オホーツク方面や函館地区の「あっさりタイプ」はもちろん、札幌の「こってりタイプ」あるいは「つけ麺」などでも力を発揮しそうに思います。
札幌ラーメンにするには「わずかにコシが柔らかい」という印象もあったのですが・・・。
この辺は予測でしかないけど、多分この品種に「ユメチカラ」のブレンドでコシや食感などの微調整もできるかもね。
この風味や甘さ・・・色々なシーンで活躍しそう(^^)
まだ普及は先のことなんだろうけど、こと「ラーメン」のジャンルに於いては高いポテンシャルを秘めており、間違いなく楽しみな品種ですね。
株式会社ツムラさんでは今後テスト販売も計画されているとのことです!
これもとても楽しみです。
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ついでに告知・・・。
現在本サイトにて「札幌ラーメン最新事情2014」も連載中です(^^;
2014/03/04 11:05網走・紋別・北見・知床